355周年記念配当に期待、“寛文”創業の森六ホールディングス(4249)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4249】森六ホールディングス(東証一部) ---

現在値 3,175円/100株 PER8.7 PBR0.81 3月配当 9月配当 株主優待なし

化学品と樹脂加工製品の2本柱。樹脂加工はホンダ向けが9割。1663年創業。

 

配当金は3月末・9月末の合計90円で、配当利回りは約2.83%となります。
森六ホールディングスは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。当社は昨年12月のIPO銘柄となります。
■2016年3月期 売上高 1,722億円、営業利益 63.0億円 EPS 224.2円
■2017年3月期 売上高 1,700億円、営業利益 63.2億円 EPS 69.3円

■2018年3月期 売上高 1,821億円、営業利益 94.1億円 EPS 446.0円 

■2019年3月期 売上高 1,800億円、営業利益 87.0億円 EPS 362.6円 ce
□2018年6月1Q 売上高 480億円、営業利益 28.4億円 EPS 137.6円(8/10) 

□2018年9月中 売上高 873億円、営業利益 33.0億円 EPS 151.1円 四e 


2018年3月期の売上高は前期比7.2%増の1,821億円、営業利益は同48.9%増の94.1億円と

なり、上場時に公表した通期見通しを上回って着地しました。樹脂加工製品事業において、

小型車向けの減税の制度延長があった中国向けが伸びたほか、タイなどのその他アジア

圏も堅調に推移しました。その一方で、北米向けは持ち直し傾向にあるものの、メキシコの

アウトレット工場において、量産化のための設備投資を進めたため、費用先行となりました。

なお、ケミカル事業については増収増益を確保したものの、概ね横ばいのレベルでした。


進行期である2019年3月期の予算については、売上高が1.2%減となる1,800億円、営業利益

は7.6%減となる87.0億円を予想しております。中国向けは小型車減税効果の剥落で一服を

見込むほか、米国は金利上昇の影響を想定しており、中国・日本・米国ともに新車生産台数

が減少することを前提としています。このほか、北米への工場投資による費用増が残る点や

ドル円の想定為替レートも100円/$で置いているため(感応度は営業利益0.5億円)、かような

予算となりますが、1Qは工場投資のコスト増をこなしており、予算は保守的とみられます。

 

今期は第11次3年中計の最終年度となっており、営業利益率・ROE・自己資本比率の3指標

をそれぞれ定量目標として定めている模様ですが、対外的な開示はなされておりません。

また、定性面での3戦略として「事業構造変革」「付加価値創造」「管理体質変革」、といった

漠とした戦略を掲げていますが、「事業構造変革」はVolkswargenなどの新規顧客の開拓、

「付加価値創造」は医療用高い機能フィルム向け工場への投資や、航空機のハイスペック

カーボンを再利用して、自動車部品にリサイクルする・・といった内容が主かと思われます。

とにかく主要顧客である本田技研への依存が大きいので、顧客分散が中期的課題であり、

その分散の成就を前提として、医療関連でのアップサイドを狙う形になろうかと思います。

 

最後に財務状況ですが、当社は昨年12月の上場時に概算31億円(@2,700円)を調達して

いるものの、そもそも業歴350年を誇る当社は財務的にはかなり優良であり、有利子負債

210億円に対して、現金170億円を有しているほか、本田技研株を中心とする有価証券を

160億円ほど保有しており(政策保有のため絶対売れないものの)、実質的に無借金経営

となっています。そのため、配当余力はかなりあるものとみられ、今期は創業355年目で

節目になるかどうか微妙ですが、記念配込で「100~110円」の配当を期待しています。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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