北海道胆振東武地震と台風21号による株価影響について(メモ②)。 | なちゅの市川綜合研究所

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今週発生した「北海道胆振東武地震」と「台風21号」による被害に遭われました皆様には

心よりお見舞い申し上げます。これら災害による株価影響について、あくまで今後の参考

のために、セクター別にいくつかメモしておきたいと思います(昨日の続きです)。

 

まずは小売りセクターです。ゲートウェイである関空が閉鎖となってしまったので、相対的に

関西エリアに店の多いJフロントや高島屋が見送られており、三越伊勢丹は底堅い展開です。

ただ関東でも(銀座の)松屋は月次が好調にもかかわらず、インバウンド構成比が高いことで

売られており、そもそも構成比の低い丸井はYHを伺う勢いです。ドラッグストアも今週より前

から売られていますが、北海道や大阪に店舗が多いツルハや都心部に店の多いマツキヨの

弱さが目立ちます。さらに大阪地盤のキリン堂も直撃不可避で軟調です。その一方、ドラッグ

ストア卸大手のあらたといったあたりには株価へのインパクトがまだ出ていない模様。

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続いてゼネコン(サブコン)セクターです。こちらも軟調な1Q決算を受けて、今週に入る前から

セクター丸ごと安い状況でしたが、地震・台風後は復興需要期待どころかさらに売りこまれて

いる状況です。関西地盤の大林組はリニアの件で先に大幅調整を済ませていることもあり、

わりと値持ちが良く、前田建設工業やマリコンの五洋建設はじり高基調となっており、この辺

はまぁイメージ通りといったところです。電設系サブコンはきんでん・関電工は少し弱い程度、

通信系サブコンのコムシスは堅調に推移していて、サブコン間でもやや色が出ている印象。

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REIT銘柄も見ておきたいと思います。7月の大阪北部地震で阪急阪神は被害がありましたが

今回の台風被害は軽微とのこともあり、株価は無風。間一髪で松下IMPビルの物件売却を

決めて大阪エリアのエクスポージャーを減らしたMidCityの株価は上昇といった具合です。

(この辺はあまり台風関係なさそうですが)。また、昨日触れた森トラストでなく、星野のような

全国展開するホテルREITは言うまでもなく売られています。個人的に気になるのは、足許で

調整を続ける物流REITにとっても追加の悪材料となってしまったので、下げ止まる気配が

まったく見られないところです。なお伊藤忠の公募割れについては個別理由だと思います。

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本件についてはこれで終わりにしたいと思いますが、取り上げたセクター以外でも、電気

機器とか運輸・倉庫、卸売業などは少なからず(ネガティブな)影響があると思います。

10月~11月の中間決算時における会社側のアナウンスが待たれます。

 

 

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