今週発生した「北海道胆振東武地震」と「台風21号」による被害に遭われました皆様には
心よりお見舞い申し上げます。これら災害による株価影響について、あくまで今後の参考
のために、セクター別にいくつかメモしておきたいと思います。
まずはインフラ(電力)セクターです。泊原発停止中の最中、主力の苫東厚真火力の停止
に追い込まれた北海道電力ですが、当初1週間程度とされた全道復電は、今朝(9月8日)
現在かなり急ピッチで進んでおり、想定よりも収入悪化に繋がらないと思われます。が、
採算性の悪い火力発電所を動かしていることや、他社からの購入費用、そして修繕費が
重くのしかかることが予想されます。全部騰がっているように見えますが、今週弱かった
分、北電の供給回復を見て、週末にアンワインドが入ったようです。表に乗ってませんが、
電源開発やレノバあたりまでついでに騰がっています。なお、インフラファンドは小動き。
続いてインフラ(鉄道・空運)セクターです。今週に入る前からそもそも弱かった部分はあり
ますが、特に影響直撃の関西民鉄、特に関空に乗り入れる南海電鉄の売られ方が目立っ
ていました。JR西日本も先の豪雨影響に続いての台風被害なので、JR各社の中では暫く
頭を押さえられる展開となりそうです(尤も一番大変なのは非上場のJR北海道ですが・・・)
空運についてはANAもJALも影響は同程度とみられるものの、足許では油価の値上がりで
見送られていて、JALの方が株主還元がマシ?ということでANAが割り負けていましたが、
Peachの拠点が関空であることを考慮すると、ANA/JALの株価乖離が広がりそうです。
ホテル銘柄も見ておきたいと思います。意外かもしれませんが、帝国ホテルは大阪帝国の
客室数がかなりあるので、影響が大きいとみられますが、ここは日比谷の不動産価値が下
支えしているので株価はビクともしていません。キツイのが関西圏・北海道で約3割の客室
を抱える共立メンテナンスや、そこまで関西構成比は高くないものの、グリーンズが大変だ
と思われます。共立は自社保有ホテルもありますが、時価総額が大きく、既に機関投資家と
みられる売りものが入っており、値を崩してきています。また、グリーンズは個人投資家が
売買の中心とみられるものの、基本は借り物のホテルであり、限界利益率が高いので、空
家賃ばかり払う状態になると、更に見送られてもおかしくないと思います。REITでは全部で
4物件しかない森トラホテルの1軒が新大阪(しかも歩合賃料)なので、株価的に苦しい展開。
本件については、明日も続きを書きたいと思います。よろしくお願いします。
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