今週は日銀の金融政策決定会合があり、長期金利の上昇が事実上容認されたような格
好となりました。フォワードガイダンスが付いたので、直ぐに上がるわけではないにせよ、
これまでのように借金は多ければ多いほどよい、というご時世ではなくなるので、色々と
頭の切替が必要なタイミングに来ていると考えています。
個人投資家はREITなどに投資しているのであれば、多少は金利動向に敏感な向きもいる
かもしれませんが、私が見る限りにおいては、「金利を含めたマクロの環境はコントロール
できないので気にしない。絶対的に伸びていく企業の成長率で取る!」というスタンスの方
の方が多数派であろうかと思います。しかしながら金利上昇局面では株式からお金を徐々
に引き上げるというのが投資のセオリーであり、“下りのエスカレーター”も頑張って走れば
上に登っていくことも出来ますが、持続可能性という観点では疑問符が付きます。
また、世界的にも金利は上昇傾向にあり、世界最強の米国の長期債券利回りが3%に達して
いる状況であるため、依然高値圏にある米国株やそこからあぶれたマネーの受け皿である
新興国市場の相場を維持するのは難しくなってきていると思います。事実、最近では決算の
内容が悪いと、米国でも日本でも容赦なく叩き売られることが増えており、投資家のリスク
許容度に変化を感じます。特に成長株においては、決算が「注文通りの満点評価」じゃない
と従来の株価のレンジを維持することすら困難となっています。
・・・ということで、先の長期金利が少し上がろうとしているくらいで、今すぐ大きな調整がくると
は考えていないものの、やはり潮時は着実に近づいていると思います。それに対応していく
ために株の銘柄の中身を変えれば済むのか、オルタナ系に移せばいいのか、やはり現金が
一番いいのかまだ答えは出ていませんが、目先の1Q決算の山よりもそっちの方が気になる
今日この頃であります。
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