2桁の増収増益路線に復帰で、成長モメンタムは再加速。イー・ギャランティ(8771)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8771】イー・ギャランティ(東証1部) ---


現在値 2,016円/100株 PER26.2 PBR5.10 3月配当優待

伊藤忠系。商・金融取引の信用リスク受託。運用商品を組成して販売。
配当は3月一括の年間22円50銭配当のため、配当利回りは1.12%となります。

イー・ギャランティは株主優待制度を導入しており、3月末に単元株を保有する株主に対し、

1,500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.86%となります。

業績を確認していきます。  
■2015年3月期 売上高 40.6億円、経常利益 15.6億円 EPS 44.1円 
■2016年3月期 売上高 44.2億円、経常利益 18.5億円 EPS 53.9円 
■2017年3月期 売上高 45.7億円、経常利益 21.5億円 EPS 64.5円 
■2018年3月期 売上高 51.0億円、経常利益 23.0億円 EPS 69.7円(5/14)

■2019年3月期 売上高 57.0億円、経常利益 25.5億円 EPS 76.8円 ce
□2018年9月中 売上高 27.0億円、経常利益 12.0億円 EPS 35.1円 ce

2018年3月期の売上高は前期比11.5%増の51.0億円、経常利益は同7.0%増の23.0億円となり、

5期連続で売上高が期初予算割れとなったものの、利益は予算通りとなりました。保証残高は

新規顧客の開拓にくわえて既接触顧客への再アプローチを強化した結果、2,987→3,453億円

へ大幅に増加しました。売上高が未達だったのはミドルリスクの引受が想定を下回った原因

が大きく、逆に利益面では低リスクゾーンの引受が想定超で推移したことによる原価率改善

が効いた格好となります。なお、上場以来11期連続となる増収増益を達成しています。


進行期である2019年3月期の予算については、売上高は11.6%増の57億円、経常利益は10.7

%増の25.5億円を予想しており、2桁の増収増益ガイダンスへと復帰しています。倒産件数は

依然として低水準で推移しており、ファンダメンタルは厳しい状況が続いているものの、ミドル

リスクを中心に積極的なリスク引受を行っていく計画です。また、営業事務作業の集中化に

より、営業員の営業活動時間を伸長させるほか、引受リスクを商品化させたファンドの規模

を拡大させることでリスク受託力の強化(と原価率の低減)を図ります。

 

当社は実績期である2018年3月期に経常利益50億円という“大目標”を掲げていましたが、

最終的な経常利益の実績はその半分以下に留まりました。現状では中期的な業績目標を

開示しておりませんが、引き続き国内のみにフォーカスしている会社姿勢から推察するに、

おそらく数年は現状レベル(年率でギリギリ2桁程度)の成長が期待されます。提携する国内

金融機関の数は頭打ち状態になりつつあるものの、今後景気が天井を打って倒産件数が

増加した場合は追い風となるほか、“食い扶持”が無くなった場合は中途半端に手を付けた

アジア事業の再深耕という手も残されているので、安定成長力は不変かと思われます。


株主還元に関しては、配当性向30%基準で利益に応じてマイルドに増配されてきましたが

【11→14→17→20→22.5円(予】、実績期の配当性向は32.3%にまで上昇してきており、

株主還元姿勢には多少の変化がみられます。無借金の超好財務なので本当はまだまだ

還元可能なはずですが、地銀等の金融機関が顧客となることもあり、当社自身の“与信”

確保が必要な側面もあるようで、伊藤忠の冠があっても相当の手許資金が要るようです。


*参考記事① 2017-07-07 1,318円*分割修正済 ---

企業業績のファンダメンタルズ改善は逆風か、イー・ギャランティ(8771)。


*参考記事② 2016-08-08 1,403円*分割修正済 --

順調増も成長モメンタムにやや陰り、イー・ギャランティ(8771)。

 

 

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