若い頃の“貯金”、で食っているような感覚。 | なちゅの市川綜合研究所

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別に足元で投資のパフォーマンスが落ちて、金に困っているわけではなく、タイトルは

単なるたとえです。私は市場から退場しそうになったことは何回かあるものの、長らく

しがみついてきているので、良くも悪くも相場の経験値だけは溜まっていると思います。

ただ相場はRPGの世界ではないので、経験値が溜まったからといって、必ずレベルが

上がるとは限りませんし、私の体感としてもここ数年は特に成長していないと思います。

 

それでも、相場の経験値が溜まると、小手先で色々出来るようになってくると思います。

 

例えば銘柄の蓄積が人よりは多いので、とある銘柄の名前がネットや新聞等のヘッド

ラインでほんの少し流れてきただけでも、その銘柄の事業内容や特色、かつての値動

きなどが普段の意識下の記憶の底から顔を出してくることがあります。実際に手掛けて

いた銘柄であればなおさらですが、その銘柄のことを「知ってる(知ってた)」ので、その

ヘッドラインで流れてきた材料が過去の記憶と紐付き易いですし、どうしてその材料で

株価が上がる(下がる)のかも、感覚的に捉えやすいところがあります。そのため、普段

は全く弄っていないような銘柄でも、材料のわりに変な値動きをしていれば、スッと買っ

たり(売ったり)しますし、それで大怪我をするようなことも殆どありません。上手くいくこと

の方が多く、悪くても横ばいで機会損失くらいのヤラレ方で許されるケースが殆どです。

 

勿論、経験が一番モノを言うのは、リーマンショックをはじめとする暴落時の売買処理

やメンタルマネジメントなどだと思いますが、個人的にはどの銘柄が「ひと相場」あった

かを知っていることも大きいと思います。かつて「ひと相場」あった銘柄は、数年後から

十年後にもやはり「ひと相場」起こすことが間々あるので、底ばい圏で仕込んで黙って

待つことも出来ますし、いざ再度「ひと相場」があっても、前回の天井を知っているので

慌てずに極力引っ張ってから、利益確定することも出来るようになります。「ひと相場」

起きた時は、最後の最後でひと粘りが出来るかどうかで利幅が全然違ったりするので、

“しっぽの先”まで全て取るような小手先技術は、やはり経験がモノを言うと思います。

 

無論、経験云々言っても、実態は雰囲気売買に近いものなのですが、私としては吸収

力や感受性がはるかに高い大学生の頃から積み上げてきたモノですから、今の私は

10代~20代の頃の経験という名の“貯金”で、食ってるようなものだと思います。そして

ここで言いたいのは、実は経験の重要性などではなく、どちらかと言うと課題点であり、

最近の私はこの若い頃の“貯金”に頼りすぎているところです。30代になってからは、

経験やその前提となる知識のインプットが疎かになっていると感じており、今の相場が

10年前からの経験で対応出来るとしても、これから10年の相場は今の経験や知識が

ベースとなるので、今の取り組み方だと十分に対応出来ないような気がしています。

 

そのため、目の前にあるものの全く手がついてない新しい四季報夏号も早く読むべき

ですし、着々と届く株主通信や事業報告書の山にもきちんと目を通さなければなりま

せん。これからのIPO銘柄も事業内容や株主構成、ざっくりとしたバリュエーション感

も押さえておかなくてはなりません。やるべきことは本当に沢山あるのですが、最近

はこういうことを疎かにしている自覚があるので、自戒を込めてエントリした次第です。

 

最近はTwitterさえあれば、凄腕投資家や人気の銘柄がなんとなく検索出来るので、

みんなで似た様な銘柄を買って、お手軽に“プチ”凄腕投資家になった気分になれる

ご時世ですが、正直これでは知識や経験など溜まりません。また、大事なことなので

何度も言いますが、凄腕投資家は大暴落等の有事の際に同じように呟いてくれると

は限りませんし、ヘタなことを言って投資初心者に恨まれたくないので、完全に沈黙

するかもしれません。普段から知識をつけることを怠らず、主体的に考え、経験値を

貯めておかないと、自分だけ置き去りにされた際には全く身動きが取れなくなるので、

私も(この長文を読んでくれた)貴方ももっともっと頑張りましょう、というお話でした。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
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