【6093】エスクロー・エージェント・ジャパン(東証1部) --
現在値 499円/100株 PER37.7 PBR7.98 2月配当株主優待
金融機関からのBPO(業務受託)と不動産関連業務のエスクロー(第三者寄託)が両輪。
配当金(実績)は2月一括の3.5円のため、配当利回りは0.70%となります。
エスクロー・エージェント・ジャパンは株主優待制度を実施しており、2月末時点で単元株を
保有する株主に対して1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは
約2.70%となります。なお1年以上の長期保有により、クオカードの進呈額が倍の2,000円と
なりますので、この場合の配当優待利回りは約4.70%となります。
業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 12.0億円、経常利益 1.9億円 EPS 2.7円
■2016年2月期 売上高 16.8億円、経常利益 4.0億円 EPS 6.0円
■2017年2月期 売上高 26.8億円、経常利益 6.9億円 EPS 10.9円
■2018年2月期 売上高 29.5億円、経常利益 7.2億円 EPS 11.4円(4/9)
■2019年2月期 売上高 37.3億円、経常利益 8.2億円 EPS 13.2円 ce
□2018年8月中 売上高 15.8億円、経常利益 2.0億円 EPS 3.7円 ce
2018年2月期の売上高は前期比10.3%増の29.5億円、経常利益は同4.5%増の7.2億円と
なり、増収増益を確保したものの、期初予想を下回りました。主力のエスクロー事業及び
BPO事業において、住宅ローン借換需要の鎮静化の影響を受けたほか、新規案件で期
ズレが発生したことが響き、顧客社数の増加(エスクロー事業:70→101社、BPO事業:24
→32社)があったものの、住宅ローン特需の穴を埋めるまでには至りませんでした。なお、
不動産オークション事業に関しては、大型の案件決済があったため大幅増となりました。
進行期である2019年2月期の予算については、売上高が26.3%増の37.3億円、経常利益
は14.2%増の8.2億円とトップラインから大幅増を予想しています。主力のエスクロー事業
では、非対面決済サービス「H’OURS」及び相続手続代行サービスの「ZOOK」の拡販を
図るほか、BPO事業では子会社2社(※後述)の連結により、建設事業者向けのサービス
が拡大するほか、大手行からの新規受注が寄与します。なお、前の期に大幅増となった
不動産オークション事業については、大型案件剥落により保守想定としているようです。
当社は2021年2月期を最終年度とする3年中計を新たに策定しており、売上高を29.5→
60億円(CAGR26%)、経常利益を7.2→19.0億円(CAGR38%)にそれぞれ成長させる壮大な
目標を掲げてます。基本的には既存の決済代行ASPを核とし、従来の司法書士や土地
家屋調査士周りの業務代行だけでなく、建築士・税理士・鑑定士業務等もパッケージし、
受託出来る業務ドメインを“面”で広げていくのが基本戦略となります。そのため、昨年
9月に当社の本間社長らの間接保有会社である新潟の測量・鑑定会社の中央グループ
(年商約3億円)の全株式を取得したほか、同じく新潟で建築確認申請サポート等を行う
ネグプラン(年商約4.5億円)を株式交換で傘下に納め、着々と業容を拡大しています。
これ以外にも「H’OURS」と「ZOOK」の拡販や、BPO事業におけるオペレーションセンター
の新規開設により、処理可能件数が大きく増加したため、そちらの成長が期待出来ます。
現時点ではやや画餅感のある中計ですが、実績期で終了した旧3年中計では売上高の
目標を16.8→22.1億円、経常利益の目標を1.9→4.6億円としていたにも拘わらず、実際
は大幅超過して前倒で達成したので、現時点では会社側計画を支持したいと思います。
当社はそもそもアイディーユー(8922、現日本アセットマーケティング)の傘下企業であり、
故・池添吉則社長が本邦でマザーズオークションを根付かせようとしていたのとともに、
当社の本間社長が付帯してエスクローの普及を目指していた経緯があります。現在は
本間社長がその意思を受け継ぐ形でエスクロー事業を柱に据え直したうえで、不動産
オークションの拡大を図っており、志半ばで故人となった池添氏の弔合戦が出来るか
どうか・・・という観点において、個人的には大変注目しています。
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