株式市場雑感(2018.5.24)。 | なちゅの市川綜合研究所

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お約束の“Sell in May”が忘れたころにやってくるパターンかもしれませんが、個人的な

相場感としては比較的ニュートラルです。主要企業の決算が出揃い、予算策定時点で

の円高が織り込まれているのと、「主要企業が保守的な予想を出してくるであろうこと」

それ自体に対して、皆が勝手にビビッていたフシもあるため、手控えられていた分の買

いが期待出来ることや、足許では円安基調も確認できるため、需給やファンダメンタルズ

言うほど悪くないかな・・・、というのがその理由です。

 

ただこれは、基本的に東証一部の大型株の話です。新興銘柄は為替も大して関係ない

ので、既述前提の限りではありませんし、3月決算を明けてからは銘柄によってかなりの

強弱がついてきているような印象です。特にサプライズは好材料よりも、悪材料に対して

株価のインパクトが強いように感じています。

 

気になっているのは直近IPO銘柄群が思ったより元気がないことです。今月21日頃発売

の有名マネー雑誌7月号(日経マネー、ダイヤモンドZAI)では、なんと両誌ともIPO特集を

組んでおり、これはメルカリやラクスルの上場(観測)が背景にあったと推察されますが、

つまり市場的にはそういう新興市場での大型上場が強く意識されるフェーズに入ったと

捉えるのが自然なのかもしれません。4月27日に上場したエヌリンクスから、5月31日に

上場予定のラクスルまで空白が1ヵ月以上あるので、定石通りであれば直近IPOの物色

が期待出来る筈ですが、実態としては不発に近く、否が応でも換金売りが意識されます。

 

また、これは直近IPOに限った話ではなく、新興市場全体も少なからず影響を受ける話

であり、値持ちの良い銘柄であっても換金されることがあるので注意が必要です。新興

市場でなくとも東証一部にリクルートや第一生命が上場する時には、大型株でも相応の

換金売りが出ましたし、特に今回の場合は、吸収可能な資金に限度のある新興市場に

において、とてつもないユニコーン銘柄の上場が控えている状況です。かような局面で

は、個人投資家に人気のある銘柄などへのリバウンド狙いは、平時よりリスクが高くなり

がちですので、「上りのエスカレーターを駆け上る」くらいのハンデを背負うような気持ち

で慎重めに取り組んだ方がよろしいかもしれません。

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