名証2部のツノダをTOB、AUMの拡大続く・マーキュリアインベストメント(7190)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7190】マーキュリアインベストメント(東証1部) ---

現在値 1,065円/100株 PER13.6 PBR1.76  12月配当 株主優待なし

投資ファンドを運用。投資対象は国内外の企業や実物資産で香港REITの貢献大。


配当金は12月一括の18円予想のため、配当利回りは1.69%となります。

なお、マーキュリアインベストメントは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。  
■2014年12月期 売上高 16.1億円、経常利益 9.6億円 EPS 79.0円
■2015年12月期 売上高 20.4億円、経常利益 9.0億円 EPS 59.2円
■2016年12月期 売上高 25.2億円、経常利益 12.7億円 EPS 70.5円
■2017年12月期 売上高 42.4億円、経常利益 22.9億円 EPS 107.5円 
■2018年12月期 売上高 40.0億円、経常利益 20.0億円 EPS 78.3円 ce
□2018年6月中間 売上高 20.0億円、経常利益 10.0億円 EPS 40.6円 四e

2017年12月期の売上高は前期比67.6%増の42.4億円、経常利益は同76.9%増の22.0億円

となり、当初の会社予想を3回上方修正して、飛躍的な増収増益となりました。金融危機

時に組成したバリュー投資ファンド“Project Sweep”等のクローズによる成功報酬(約20

億円)の獲得が大きく寄与しました。また傘下のSpring REITの物件取得が順調に進んだ

こともあり、ファンドの管理報酬も積み上がりました。


進行期である2018年12月期の予算については、売上高が5.3%減の40.0億円、経常利益

は9.4%減の20.0億円と減収減益を予想しています。今期は期初時点から会社側予想が

公表されているものの、前の期に計上した一過性の成功報酬の計上があまりに大きく、

現時点の予想ではこれを埋めきれない見通しです。今期は成長投資ファンドの“クロス

ボーダー・グロース・ファンド1号、2号”がExit/分配フェーズに入るものとみられます。


当社は2016年10月に東証二部市場に上場しましたが、約1年後の2017年12月に一部

市場に指定変更となりました。その際、当社源流の一角である谷家衛氏のあすかHDと、

伊藤忠商事が合わせて90万株を放出したほか、公募増資により約40億円(@1,406円)

を調達しています。資金使途は自己投資資金となり、30億円をタイミングブリッジ投資、

10億円をセイムボート出資に充てる方針であり、昨年末までに再生可能エネルギー

やバンコク不動産(メザニン)、人工衛星のライドシェア等への投資を済ませています。

 

また、昨年11月には当社のファンドが、名証2部の老舗自転車会社のツノダ(7308)に

対し、上乗幅210%という驚異のプレミアムをのせて完全子会社化TOBをしています。

同社は祖業こそ自転車会社ですが、実態は不動産賃貸業であり、今後も賃料収入

を得ていくほか、有効活用されていない社有土地の再開発や、事業の売却により、

同社の収益化を図っていくとみられます。このほか、足許では文具大手のぺんてる

(非上場)にも新規出資を行っています。当社の企業買収は、美白化粧品で有名な

SONOKOをトリドールに30億円で売却した実績もあり、政投銀の看板があるため、

企業規模のわりにビッグネーム案件を手掛けられているのが特徴と言えます。


なお株主還元については、配当性向30%基準としているものの、ファンド事業により

業績に波がでてしまうため、アクチュアル純利益の直近5期平均に対して配当性向

を掛け合わせて配当額を決定するイレギュラーな還元方針を採っています。今期の

予想純利益は13.5億円ですが、この調整を実施すると配当基準の純利益は10億円

まで落ち込んでしまうため、今期の配当予想は1円増配の18円止まりとなっています。

 

そのため、一過性の利益が上っても配当感応度が鈍く、インカムゲインには期待薄

であるため、当社最大の隠し玉とされる“みんかぶ”上場によるキャピタルゲインの

獲得を狙っていくというのが、基本的な考え方になろうかと思います。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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