【8956】プレミア投資法人(東証REIT) ---
現在値 111,400円/1株 PER21.5 PBR1.18 4月分配 10月分配
オフィスとレジデンスを中心とする総合型。メインスポンサーはNTT都市開発。
予想分配金は年2回の合計5,170円配で、分配金利回りは約4.64%となります。
業績を確認していきます。
■2016年10月期 営業収益 84.2億円、経常利益 33.8億円 DPU 2,533円
■2017年04月期 営業収益 84.4億円、経常利益 33.2億円 DPU 2,520円
■2017年10月期 営業収益 86.4億円、経常利益 33.4億円 DPU 2,537円(12/18)
■2018年04月期 営業収益 88.8億円、経常利益 34.5億円 DPU 2,620円 ce
■2018年10月期 営業収益 89.2億円、経常利益 33.5億円 DPU 2,550円 ce
2017年10月期の営業収益は当初予算より約1.2億円程多い86.4億円、経常利益は
同1.4億円増の33.4億円となりました。分配金に関しては、当初予想の2,450→2,537
円となり、87円上振れしました。オフィスマーケットの堅調推移を背景に賃料の増額
改定が寄与したほか、期末稼働率も94.8→95.1%へ改善しました。ただ基本的には、
期中6月に取得した「スフィアタワー天王洲(後述)」が上振れに寄与した形となります。
進行期の2018年4月期の予算は、営業収益は前の期比2.8%増の88.8億円、経常利
益は同3.3%増の34.5億円を見込んでおり、分配金見通しも2,536→2,620円(+84円)と
大きく増加されました。天王洲が通期稼働するほか、期初に売却した「NU関内ビル」
の売却益が1億円弱オンされます。分配金的にはこの売却益の計上が大きく、これ
だけで分配金を73円押し上げる形となります。関内は築30年超の築古ビルであり、
稼働率も8割を多少超える程度で足を引っ張っていた物件のため、この物件売却は
ある程度理解出来るものです。なおオフィスの予想期末稼働率は95.1→97.1%(+2%)、
同様にレジデンスは96.8→95.8%(▲1%)を見込んでいます。
直近での当法人最大のトピックは、かつてグローバル・ワン投資法人が保有し、今回
アンジェロ・ゴードンと推察されるSPCから取得した「スフィアタワー天王洲」であり、
150億円を投じて準共有持分の67%を取得しています(残り33%は阪急リートが保有)。
最近は他リートでも天王洲の物件取得が続いており、賃料が高騰する都心エリアよ
りも割安感があり、テナントを誘致しやすいのは事実ですが、都心の賃料の伸びが
一服すると天王洲には客が来なくなるのが留意点です。本物件ではソフトバンクが
2,000坪弱を賃借しており、一頃よりは埋め戻しが進んでいるものの、それでも稼働
率は88%水準のため、早く90%台後半までリースアップ出来るかどうかが鍵となります。
ちなみにこの天王洲はデットで買っているため、分配金の増加にはダイレクトに寄与
したものの、LTVが46.1→49.5%へ悪化しています(その後関内を売ったので46.8%)。
POについては2015年に263億円(@117,875円)を調達して、池袋・麹町・大森を取得
して以来音沙汰がありませんが、最近の株価の戻りで前回PO価格を回復出来そう
な状況であり、P/NAVも現時点で1.04なので、そろそろPOでの外部成長と財務良化
を期待したいところです。ただ本法人側も明らかにしていますが、スポンサーのNTT
UDに拠出するような物件がなく、ケンコーポからリプレイスしたマイナースポンサー
であるケネディクスも全く売りに来ていない様子なので、POが出来そうな状況でも、
肝心のパイプラインが相対しかない・・・とかそんな調子なので、期待値は低めです。
![]() |
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。