【4678】秀英予備校(東証一部) --
現在値 498円/100株 PER74.2 PBR0.87 3月配当優待9月優待
静岡県地盤。中学生向け集団指導塾が主力。北海道など進出するも頓挫。
配当は年1回12円のため、配当利回は約2.41%となります。
秀英予備校は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末に100株以上を保有
する株主に対して、500円分の図書カードを進呈しておりますので、配当優待利
回りは約4.41%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 117億円、営業利益 1.5億円 EPS ▲226円
■2015年3月期 売上高 112億円、営業利益 0.7億円 EPS ▲485円
■2016年3月期 売上高 111億円、営業利益 2.6億円 EPS ▲144円
■2017年3月期 売上高 109億円、営業利益 2.6億円 EPS 52.7円
■2018年3月期 売上高 111億円、営業利益 1.6億円 EPS 6.7円 ce
□2017年9月中 売上高 48.5億円、営業利益▲5.2億円EPS▲100円(11/8)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比2.3%増の48.5億円、営業利益は
赤字幅縮小の▲5.2億円となり、期初計画を上回りました。小中学生を中心
とした個別指導の「PAS」が好調で、夏期講習の生徒数が2,950→4,058名と
前年比で千人を超える伸びとなったほか、塾生数も4,742→5,444名へ増加し
一定程度の定着も実現しました。柱の集団指導もバイト講師の人件費増加
が重しではあるものの、個別指導同様に夏期講習への注力による塾生集客
効果があり、徐々に底入れしつつあるようです。
なお2018年3月期の通期予算は据え置いており、売上高が前期比1.8%増の
111億円、営業利益は同39.6%減の1.6億円と増収減益を見込んでいます。こ
こ数期は断続的に校舎のリストラを進めているため、トップラインが低迷して
いますが、今期はリストラの一巡と個別指導型の集客強化、映像型指導の
「iD」のFC加盟推進等により、ついに増収へ転じる計画です。一方の利益面
に関しては減益予想となっていますが、上期の営業利益上振れ分(1.2億円)
を織り込んでいないため、前年並みの利益水準の確保は可能とみます。
当社は今期を最終年度とする3年中計で、売上高115→123億円、営業利益
1.5→6.4億円を見込んでいましたが、売上高・利益ともに計画を大きく下回る
公算となりました。基本戦略としては、好調な個別指導と「iD」の新規出店と
FC加盟増が成長ドライバーとなるはずでしたが、少子化や過当競争により、
不採算校舎のリストラをするだけの3年間になってしまいました。
一応、営業利益は水面下に落ちることなく黒字を確保し続けているものの、
校舎のリストラによる減損が多く、借金の減りのわりに純資産の削られ方が
凄いので、自己資本比率は悪化の一途を辿っています。会社側も自社物件
で低簿価の豊田駅前校を3月に売却(簿価0.9億円→売値4.2億円)するなど、
オフバランス化を推進していますが、これでも“焼け石に水の状態”であり、
まともに財務改善するのであれば、超絶虎の子の物件(と思われる)千種駅
前の自社物件(簿価13億円)を売るしかないと思われます。
また、中間期ベースでは▲3.4億円の利益剰余金欠損に転じており、閑散期
のため通期で復元してくる可能性は残るものの、12円配当の維持にも暗雲が
漂っています。当社の場合は業績よりもまず財務改善が肝要かと思われます
ので、多少は減配されても仕方ないものと考えます。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
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