【3542】ベガコーポレーション(東証マザーズ) ---
現在値 1,287円/100株 PER57.8 PBR 3.59 3月無配 株主優待あり
家具・雑貨のネット通販。自主企画商品、低価格に強み。顧客F1層中心。
配当金は支払実績がなく、今期も無配予想となっております。
ベガコーポレーションは株主優待制度を導入しており、3末に単元株以上
を保有する株主に対して、何らかの優待が実施される予定になっています。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 75.1億円、営業利益 7.1億円 EPS 60.8円
■2015年3月期 売上高 74.9億円、営業利益 5.3億円 EPS 16.3円
■2016年3月期 売上高 91.3億円、営業利益 5.8億円 EPS 57.5円
■2017年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.2億円 EPS 77.7円
■2018年3月期 売上高 131億円、営業利益 3.5億円 EPS 22.2円 ce修正
□2017年9月中 売上高 62.5億円、営業利益 1.7億円 EPS 10.3円(10/31)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比27.3%増の62.5億円、営業利益は
同52.9%減の1.7億円となり、期初予想を下回りました。売上高は概ね予想線
を確保したものの、大手ECモール内(楽天)における競合との値引き合戦や、
委託先の一部運送業者がB2Cを廃止したことによる物流スイッチングコスト
の発生や、運送費そのものの上昇傾向が痛打となり、営業利益は期初予想
の半分以下の水準に留まりました。
2018年3月期通期の予算に関しても修正しており、売上高は前期比19.5%増
の131億円(従予:137億円)、営業利益は同57.8%減の3.5億円(従予:9.5億円)
にそれぞれ減額しています。売上はともかく、上期の凹み分以上に利益の
大幅な減少を見込んでおりますが、運送費の上昇分の反映にくわえ、下期
で広告費とR&Dに費用を積み増している模様です。推察ですが、修正予算
はバッファ残しの保守想定をしていて、進行につれて数字が足りなくなった
場合は、この広告費とR&Dの費用を4Qで削ってくる可能性が高そうです。
(※社長以下、役員報酬を6ヵ月間削っているので必達予算と思われます)
当社は一昨年6月にマザーズ市場に上場し、中長期的な成長ストーリーは
あるものの、定量目標値は特に設定していません。越境EC「DOKODEMO」
は順調に成長しているものの、未だ月商ベースで5千万円を突破した水準で
利益貢献はかなり先となるため、基本的には主力ブランドである「LOWYA」
を中心とした既存事業による成長が軸となります。ただ会社側は「LOWYA」
の全国認知度5%を積極的に引き上げていく意向であり、最終的に80~90%
(ニトリ?)、最低でも50%(Francfranc?)あたりをベンチマークとしているため、
今のペースで売上高が伸長しても、広告費で食われる可能性があります。
当初、家賃の高いリアル店舗がない分、同業のミサワ(unico)あたりより有利
かと思われましたが、逆にECモール内で低価格競争に巻き込まれるという
状況に陥っているため、ネット広告費の積極投入による「LOWYA」のブランド
構築と利幅確保のための自社プロパーサイトへの誘導も必要になっており、
運送費の大幅増も相俟って、向こう数期は雌伏期間が続くと思われます。
ということで、浮上には要時間と思われますが、今般の下方修正後にひふみ
投信のレオス・キャピタルワークスが8%を超える大量保有を出してきており、
業績はともかく株券需給的には一息ついた感じがあります。昨今の運送費
上昇を鑑みるに、今後の家具EC業界への新規参入は限られると思われる
ため、この辺で一旦“灰汁抜け”になるかどうか・・・というところでしょうか。
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