親会社ソフトクリエイトの「後ろ盾」が強力、エイトレッド(3969)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3969】エイトレッド(東証マザーズ) --

現在値 1,157円/100株 PER34.5 PBR5.69 3月配当 9月株主優待 

ワークフローソフト専業。「X-point」「AgileWorks」主力にクラウドも提供。
配当は年2回・合計10.3円配当のため、配当利回りは0.89%となります。

エイトレッドは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の単元株主に

対して、1,000円分のクオカードを年2回進呈しておりますので、配当優待

利回りは約2.62%となります。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 7.1億円、経常利益 2.2億円、EPS 23.6円 
■2016年3月期 売上高 8.4億円、経常利益 2.7億円、EPS 29.1円 
■2017年3月期 売上高 9.6億円、経常利益 2.7億円、EPS 30.9円 

■2018年3月期 売上高 11.5億円、経常利益 3.3億円、EPS 32.9円 ce
□2017年9月中 売上高 5.2億円、経常利益 1.6億円、EPS 16.4円(10/26) 

2017年9月中間期の売上高は前年同期比7.5%増の5.2億円、経常利益は

同4.7%増の1.6億円となり、増収増益を確保したものの、期初予想比では

減収増益となりました。主力のパッケージ品は、全国各地でのセミナーの

実施により導入企業数が増加したものの、前年同時期にあった「X-point」

のバージョン切替需要が剥落した影響が大きく減収となりました。一方で

中堅・中小企業向けのクラウド品については順調に拡大し、売上の嵩は

小さいものの、年率55%を超えるセグメント増収を果たしました。

2018年3月期通期の予算は据え置いており、売上高は前期比19.6%増の

11.5億円、経常利益は20.6%増の3.3億円を予想しています。2016年3月期

には年率67%の売上高成長を記録したクラウド品が、足許でも5割を超える

伸びを継続しているため、同セグメントの伸びにより低調なパッケージ品を

カバー出来るかがどうかが、売上予算達成のポイントとなります。一方の

利益に関しては、進捗率と業容のストック性を鑑みると走破圏と言えます。

 

当社は昨年12月にマザーズ市場に上場し、特に定量的な中長期目標値は

開示していないものの、本邦のワークフロー市場の伸び率は年率13%程度

となっており、(僅差で団子状態ではあるものの)業界シェア首位である当社

は、最低でも年率2桁ペースでの業績伸長が見込まれます。

 

既に当社製品の導入会社数は2千社ほどになっているとみられ、中小企業

から大企業までカバーしているほか、第2位株主として10年前から住商情報

システム(現:SCSK)が9%ほど資本参加しているため、当社商品の有力な販

社として、継続的な新規顧客の獲得が期待されるほか、親会社であるソフト

クリエイトHD(3371)の創業一族である林宗治氏が当社会長に就いており、

依然として6割程の当社株を握ったまま“手厚い”連結対象としているため、

売上依存度は15%程であるものの、必要に応じたサポートが期待されます。

 

また同社は当社と同じクロスタワーに入居しており、2004年にはOBC(4733)

相手に、2013年には日本ユニシス(8056)に三者割当増資を引き受けさせて

第2位株主になって貰っていることなど、いくつかの類似性が確認出来ます。

加えて同社は当初ヘラクレス上場企業でしたが、東証一部に指定変更となる

までの間に、株主数・流動性の増加を図るため、複数回に及ぶ株式分割や

株主優待の拡充を繰り出しており、この12月に当社も株式分割と優待拡充

を実施しましたが、株式分割の比率(1:3)まで同社と一緒という有様でした。

 

よって、基本的にはワークフロー市場の成長が前提となりますが、親会社と

似たストーリーを半ば人為的に辿っていく可能性が高く、「おんぶにだっこ」

ではあるものの、よくあるマザーズ銘柄とは“成長確度”が違う印象です。

 

 

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