受注信用力向上狙い、一部指定替え申請か・田辺工業(1828)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1828】田辺工業 (東証二部)  --

現在値 1,108円/100株 PER9.8 PBR0.91 3月配当優待 9月配当優待 

化学プラントを主体とする中堅総合プラント工事会社。関東・中部が地盤。
配当は3月末一括の20円配当のため、配当利回りは1.81%となります。

田辺工業は株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に単元株以上を

保有する株主に対して、500円分のクオカードを年2回進呈しております

ので、配当優待利回りは約2.71%となります。


業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 251億円、経常利益 9.1億円 EPS 48.0円
■2015年3月期 売上高 270億円、経常利益 10.8億円 EPS 38.6円 
■2016年3月期 売上高 288億円、経常利益 15.8億円 EPS 90.8円
■2017年3月期 売上高 305億円、経常利益 18.2億円 EPS 111.7円 

■2018年3月期 売上高 325億円、経常利益 17.0億円 EPS 112.1円 ce
□2018年9月中 売上高 141億円、経常利益 7.9億円 EPS 50.2円(11/6)


2017年9月中間期の売上高は前年同期比5.6%減の141億円、経常利益は

同19.8%減の7.9億円となり、減収減益となりました。主力の設備工事事業は

修繕工事が低調に推移したものの、新設工事・改造工事の受注は好調に

推移しており、上期受注高それ自体は同5.3%増の202億円となりましたが、

上期完工の工事が少なかったため数字が仕上がりませんでした。


2018年3月期通期の予算については据え置いており、売上高が前期比6.2%

増の325億円、経常利益は6.9%減の17.0億円を予想しています。既述の通り

下期に完工が集中する計画となっており、会社も最初からこの季節偏重に

よる株価インパクトを回避する意向があったのか、今期は期初の時点から

中間予想を非開示に変更しています。受注残高に関しても上期の積み増し

を別で考えても、期初時点で前年同時期より10億円多い61億円を確保して

いるため、見た目の業績進捗は非常に悪いものの、走破圏と思われます。

 

当社はこれまでの中計で売上高300億円目指してきましたが、無事に前期

で達成しており、その後は特に定量目標が示されておりません。そのため

今後の成長ストーリーが気になるところですが、競合との受注環境が激化

している中で、足許では受注のための信用強化に動いているような印象を

受けます。当社は2007年にJQ市場から二部市場に指定変更していますが

足許ではクオカード優待の導入による株主数増加(1,700→4,300名)施策や

流動性向上のために今年は3回の分売を実行してきています。特に3回目

の分売では「東証一部に変更申請中」との文言が確り記載されているため

そういうシナリオで進んでいると考えられます(形式要件もほぼ成就?)。

 

当社は建設会社としては財務にも余裕があり、かねてより緩やかな増配

基調にあったものの、前期は一気に配当を倍増(10→20円)させています。

これは減損が消えた影響もあるものと思われますが、地方の建設会社が

ここまで思い切った還元に踏み切るには、業績の先行きに自信がないと

出来ないことですので、会社側としては中長期的な業績に対して、相当

の手応えがあるものと推察されます。

 

 

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