直近IPO銘柄の「乗換売り」と「節税売り」に注意。 | なちゅの市川綜合研究所

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IPOの駆け込み承認が続いてきており、そろそろ年末が意識される頃合い

になってきました。11月の上場承認銘柄数を見て、「今年は少ないなぁ」など

と思っていましたが、12月上場銘柄の承認時期になってからは、佐川急便

(SGホールディングス)、旧SBIモーゲージ(アルヒ)といったネームバリュー

のある大物が出てきたり、昔ひと相場あったセントレックス市場の大物銘柄

のやすらぎ(カチタス)も昨日再上場承認の運びとなり、やっと盛り上がりが

出てきたような印象を受けます。

そしてこのようにそれなりにIPOの顔ぶれが揃ってくると、特に気をつける

必要が出てくるのは、相対的に鮮度の悪くなってしまった「少し前のIPO群」

の乗換売りです。ただでさえこれから年末にかけて承認銘柄も続々と増え、

“よりどりみどり”の状態となりますので、資金が抜けて値動きが悪くなった

銘柄には誰も寄り付こうとしなくなるので、ホールドを決め込んだ銘柄だと

しても、一旦外すといった判断も場合によってはありだと思います。

 

わざわざ言うまでもありませんが、こうした直近IPOを短期値上がり益目的

で買った後、しばらくの間思うように上がらずとも下がらず・・・ような展開に

陥った場合、なんとなくホールドを継続するのではなく、微損だろうが何だろ

うが板のあるうちに撤退するのが定石だと思います。「短期で上がる」という
自分の予想が外れたのに、擦り傷で逃げられるのなら上出来だと思います。

あと忘れてはいけないのが、年末特有の「損出し」の節税売りです。年間を

通じて弱かった銘柄はさらに輪をかけて弱くなりますので、初値以外見せ場

のなかったIPO銘柄などは“淘汰の本命”であり、年内最終受渡期限日となる

クリスマス頃までは株価が来る日も来る日もエンドレスに溶けたりしますので、

やはり事前に対策が出来ればベターです。足下は東証一部銘柄が絶好調で、

手っ取り早く逆転勝ちを狙うには直近IPOという気持ちは私もよくわかりますが、

構造的な背景を理解しておくことで、不要な火傷をしなくて済むかと思います。

 

 

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