【2428】 ウェルネット (東証一部) --
現在値 1,165円/100株 PER39.3 PBR2.42 6月配当 株主優待なし
コンビニ等での決済代行大手。プリペイド型電子マネーなども。
配当は6月の一括50円配当となりますので、配当利回は4.47%となります。
なお、ウェルネットは株主優待制度を導入しておりません。
業績を確認していきます。
■2014年6月期 売上高 76.0億円 経常利益 14.8億円 EPS 46.3円
■2015年6月期 売上高 88.8億円 経常利益 15.2億円 EPS 48.4円
■2016年6月期 売上高 105億円 経常利益 20.0億円 EPS 71.9円
■2017年6月期 売上高 102億円 経常利益 12.3億円 EPS 46.4円
■2018年6月期 売上高 106億円 経常利益 8.0億円 EPS 29.1円 四e
□2017年9月1Q 売上高 23.9億円 経常利益 2.2億円 EPS 8.4円(10/31)
□2017年12月中 売上高 51.0億円 経常利益 3.5億円 EPS 12.7円 四e
2017年6月期の売上高は前期比2.6%減の102億円、経常利益は同38.3%減
の12.3億円となり、レンジ形式で開示していた期初予算に対して、売上高
はショート、経常利益も中央値程度の達成となり、未達感の強い仕上がり
となりました。売上に関しては、大口取引先との取引条件見直しが響いた
要因が大きく、利益についてはこのトップラインの減少および、人材増強、
バス予約・決済アプリ(バスもり!)に広宣費を投じたことで減益となりました。
進行期である2018年6月期通期予想については、期中に柔軟に積極投資
へ舵を切っていくことを念頭に置き、レンジ形式の予想開示すら取りやめ、
会社予想は今期より完全非開示となっています。新型の決済アプリである
「支払秘書」を8月にローンチさせたほか、バス予約・決済アプリである「バ
スもり!」も新たに定期券機能を搭載させて、拡販を図っていく計画です。
ちなみに去る10月31日に1Q決算が公表されており、売上高は前年同期
比12.2%減の23.9億円、経常利益は同62.5%減となる2.2億円で通過してい
るため、投資期にもかかわらず、売上高段階で2桁のマイナス成長となっ
ていることを踏まえると、通期では相当厳しい仕上がりが予想されます。
なお今期は5ヵ年計画の2年度目となっており、最終年度の2021年6月期に
実績期の約4倍となる経常利益50億円、目標を掲げています。従来モデル
であるコンビニ決済を含むマルチペイメント型の決済代行や送金サービス
業から、新型の決済機能付きアプリの「支払秘書」や「バスもり!」に経営
資源を集中させ、本5年中計でビジネスモデルの大変革を図る計画です。
当社は従来の本業であるマルチペイメントで大きな利益を安定的に計上し
てきましたが、ここ数年で決済手段の多様化と競合の激化が著しく進んだ
ため、社運を賭けて事業ドメインを変更しているものと思われます。実際、
2018年1Qでは不調の要因がはっきりないものの、当社がこれまで提供し
てきたマルチペイメントは、加速度的に客離れしている可能性があります。
そのため、会社側の“決断”はある程度理解できるものであり、GMOPGや
(SBI)ベリトランスと並んで、かつては3大決済会社と並び称された当社が、
数多の大手取引先企業とのリレーションが活きているうちに、新サービス
の導入(や乗換)を図るのは、合理的な経営判断と捉えることも可能です。
よって向こう数期は厳しい業績が想定されるものの、財務的にはまだまだ
余裕があり、(実態は無利子の預り金が多いものの)無借金で手許現金も
100億円以上キープしている状況が続いています。そのため会社側はこの
“業績雌伏期間”においても通期50円の最低配当を保証しており、株価的
にはこれが強力な下支えとして機能していくことが期待されますが、いか
んせん会社側は、何をしでかすか分からない状態に突入していますので、
高配当に紐づくリスクに関しては、はっきり認識しておくべきかと思います。
2013-09-19
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。