【1716】第一カッター興業(東証二部) ーーー
現在値 1,537円/100株 PER10.4 PBR1.09 6月配当 *記念優待実績
ダイヤモンド使用のコンクリート構造物切断、穿孔工事が主力。
配当金は年1回6月一括の12円配当で、配当利回りは0.78%となります。
第一カッター興行は株主優待制度を導入しておりませんが、直近実績期
(2017年6月末)には50周年記念優待として、単元株主に対して2,000円分
のクオカードを進呈した実績があります。
業績を確認していきます。
■2014年6月期 売上高 97.9億円、営業利益 9.3億円 EPS 105円
■2015年6月期 売上高 118億円、営業利益 13.5億円 EPS 144円
■2016年6月期 売上高 128億円、営業利益 17.3億円 EPS 196円
■2017年6月期 売上高 128億円、営業利益 14.1億円 EPS 174円
■2018年6月期 売上高 124億円、営業利益 13.2億円 EPS 147円 ce
□2017年12月中 売上高 64.6億円、営業利益 8.1億円 EPS 91.8円 ce
2017年6月期通期の売上高は前期比並みの128億円、営業利益は同18.5%
減の14.1億円となり、期初計画を上回って着地しました。高速道路関連や
工場関連の受注を強化したほか、目玉案件として再開発の進む渋谷駅東
口(ヒカリエ側)の基盤整備工事を受注するなど、堅調に推移したものの、
前期の大型案件の剥落影響が大きく、完成工事高は同2%減少しました。
また、人員・設備投資を積極的に実施したことで、期初の想定よりは良化
したものの、着地としては減益となりました。
進行期である2018年6月期通期の予算については、売上高が3.1%減の124
億円、営業利益は6.0%の13.2億円と減収減益を見込んでいます。引き続き
今期も民要・官公需ともに建設工事の総額が5%前後伸びる見通しのため
当社業績も底堅い推移が見込まれるものの、震災特需が殆ど剥落しつつ
あることや、ビルメンテ事業での選別受注が原因で減収予算になります。
また、前の期に続いて人員(働き方改革)・設備投資を優先する方針のため
想定外の連続減益となる公算です。
当社は震災による復興特需もあり、直近の5期間(~2017年6月期)までは、
営業利益CAGR23%という破竹の大増益を遂げてきましたが、業績的には
踊り場を迎えています。既述のとおり工事需要は衰える気配がないほか、
東京五輪を控えて橋りょう、トンネル、配管などインフラの老朽化対応工事
の増加も見込まれるため、受注環境には陰りがないものの、他ゼネコン等
と同様に労務費の増加が重しとなります。現状では中計および定量目標
を定めていないものの、第51期(今期)を中計策定期間・第52期(来期)以降
を中計実行期間とすることを示しているため、発表を待つ形となります。
業績以外の財務面については非常に良好であり、事実上の無借金であり
ネットキャッシュも37億円ほど積み上がっています。そこまで資金需要の
ある業種ではなく、配当性向も巡航で8%程に留まっているため、どんどん
財務が良化しています。実績期は3円の記念配当こそ出したものの、今期
は速攻で剥落させて通期12円の配当を予想しているため、さすがにもう
一歩踏み込んだ株主還元が望まれます。従業員持株会も発行済株式数
の5%弱を持ってますので、同時に従業員還元も実現することが出来ます。
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