保証型から歩合型に徐々に移行、タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9281】タカラレーベン・インフラ投資法人(東証インフラ) ---

現在値 99,500円/1株 PER17.8 PBR1.01  5月分配 11月分配

インフラファンド市場第一号の上場銘柄、スポンサーはタカラレーベン。
予想分配金は年2回の合計6,823円配で、分配金利回りは約6.85%です。

業績を確認していきます。

■2016年5月期 営業収益 0億円、経常利益 ▲0.06億円 DPU 0円 

■2016年11月期 営業収益 3.82億円、経常利益 1.61億円 DPU 3,121円 
■2017年5月期 営業収益 4.09億円、経常利益 1.49億円 DPU 3,021円 

■2017年11月期 営業収益 10.5億円、経常利益 3.49億円 DPU 3,418円 

■2018年5月期 営業収益 10.8億円、経常利益 3.47億円 DPU 3,405円 ce

2017年5月期の営業収益は当初予算より1.1億円上振れの4.09億円、経常

利益は8百万円上振れの1.49億円となりました。分配金に関しては、当初

予想の2,852→3,021円となり、実に169円も上振れしました。これは2月に

神栖波崎(1,200KW)を借入を行わずにキャッシュで買ったため、4ヵ月弱の

数字がそのままオンされたことが主な要因です。なお分配金に関しては、

利益超過分配なしの“真水部分”だけで3,000円水準を確保しています。


進行期の2017年11月期の当初の予算に関しては、営業収益が前の期比

2.5倍となる10.2億円、経常利益は2倍となる3.22億円を見込んでいました。

業績が飛躍的に増加しますが、これは6月1日付けのPO(後述)によるもの

であり、その後の日射量の増加や追加取得などにより今日までに数回の

増額修正がなされており、現時点の営業収益は10.5億円・経常利益は3.49

億円を見込んでいます。DPUも当初の3,188→3,418円と期初予想から既に

200円以上も上振れする見通しです(※今期は利益超過分配463円含む)。

 

さて、当法人は6月1日付でIPO以来初めてとなるPOを実施し、65千口を@

95千円で発行し、約62億円を調達しました。取得資産で最も大きいものは

ゴルフコースの一部を転用した那須那珂川(19.8MW)であり、取得価格は

実に83億円にのぼり、当法人の圧倒的な旗艦物件となりました。なお今回

のPO取得物件からは1KWhあたりのFIT買取価格が36円(従来40円)の物

件が主流となったことにくわえ、賃料算定方式も“パーセンタイル50”から

“パーセンタイル75”へと変更になっています。従来は日射量保証のバー

が高いところに置かれていましたが、今後はバーを低いところに置きなお

しをして保証賃料を減らす代わりに、日射量の出来高による歩合飲料の

割合を増やすといった内容になっています。要はこれまで以上に日射量

が重要となり、天候感応度リスクの一部が投資家の側に移転されました。

実際に本年8月は天候不順でしたので、例年より日射量がかなり少なく、

現時点での修正はないものの、その辺も考慮する必要がありそうです。

 

当法人の魅力は、日本再生IF(9283)と比較的近く、賃料算定方式を変えて

もなお賃料保証の度合いが高めなことであり、日射量次第で歩合賃料が

大きく変動するいちごグリーンIF(9282)よりもローリスク型である点です。

また、物流REIT等と同様に減価償却費を利益超過分配として、ガンガン

払い戻すというわけではなく、新規の物件取得の原資に回していく点も、

いちごグリーンとは異なる点です。また、当法人の場合既にJCRから格付

(A-)を取得しており、ある程度財務面も安定させつつ、無理のない運用を

志向している印象がありますので、本邦のインフラファンドのパイオニア

として、太陽光モジュール以外の他アセットの組入れも含め、長い目で

期待していきたいところではあります。

 

 

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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