【7605】フジ・コーポレーション(東証一部) --
現在値 2,091円/100株 PER14.8 PBR 1.79 10月配当 4月株主優待
タイヤの専門店「タイヤ&ホイール館フジ」を東北・関東に直営で展開。
配当は10月一括の30円配当であり、配当利回りは1.43%となります。
フジ・コーポレーションは株主優待制度を導入しており、4月末の単元株主
に対して、5,000円の三菱UFJニコスギフトカードを進呈しておりますので、
単元保有時の配当優待利回りは約3.82%となります。
業績を確認していきます。
■2014年10月期 売上高 250億円、経常利益 20.4億円 EPS 132.1円
■2015年10月期 売上高 275億円、経常利益 23.8億円 EPS 170.6円
■2016年10月期 売上高 290億円、経常利益 22.5億円 EPS 135.4円
■2017年10月期 売上高 300億円、経常利益 23.9億円 EPS 141.2円 ce
■2018年10月期 売上高 310億円、経常利益 25.0億円 EPS 146.9円 四e
□2017年4月中 売上高 184億円、経常利益 16.8億円 EPS 112.4円
□2017年7月3Q 売上高 241億円、経常利益 18.4億円 EPS 129.5円(9/5)
2017年4月中間期の売上高は前年同期比4.9%増の184億円、経常利益は
同11.1%減の16.8億円となり、予想比では増収を確保したものの、利益面は
一転して減益となりました。書き入れ時の1Qが暖冬影響で厳しい状況で、
武蔵村山・福島の新店による上乗せ効果はあったものの、米国大統領選
以降の円安相場による仕入れ原価の上昇も響き、利益を大きく圧迫する
結果となりました。
2017年10月期通期の予算については期初予想を据え置いており、売上高
が前期比3.3%増の300億円、経常利益は5.9%増の同23.9億円としています。
上述のとおり最繁忙期の1Qで躓いたため、凹み分の奪回はかなり難しく、
利益予算は未達がほぼ確実な状況です。ただ夏場にかけてタイヤの値上
げを実施したことで、駆け込み需要を含めやや持ち直しの傾向はみられ、
2Q→3Qの四半期比較では、多少数値の良化がみられます。当社は月次
情報を開示していますが、前年を割ったのは1月のみであり、トップライン
に関しては、予算を達成してくる蓋然性がそれなりに高いものとみられます。
当社は2015年までJASDAQ上場企業でしたが、昨年一気に東証二部から
一部まで指定替えとなり、二部指定の際に14億円(80万株@1868円)をPO
で調達しています。自己資本比率は56.1%とそれなりの水準にあるものの、
商品在庫が非常に多く、目一杯タイヤを仕入れた場合の手許現金はほん
の数億円程度しか残らないので、手許流動性を確保する意味で悪くなかっ
たように見えますが、成長原資とは言えないので評価は難しいところです。
一応、今後の拡大策としては第3物流倉庫の本格稼働やシステム改修に
よるリードタイム短縮や売れ筋把握、PB製品の開発等が挙げられますが
特に目新しさのある内容はなく、既にオートバックスやイエローハット等の
競合がひしめくエリア(要は関東への本格南進)に出店するしかないため、
大きな伸びが期待しにくい状況です。
当社は既述の指定替えのタイミングと前後して、株式分割や株主優待の
拡充を実施して、2千人強だった株主数を1万人水準まで激増させましたが
タイミング的に指定替え対策ではなく、株価対策的な意味が強いと思われ
大幅な優待拡充内容のわりに、株価水準が一向に切り上がらないのは、
この明らかな“業績頭打ち感”が重しになっているような印象を受けます。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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