私は個人的にロマンを感じさせる銘柄が好きで、ひとつ挙げると空運銘柄
などはわりと好きです。本来この空運銘柄というのは投資の世界の定石で
は投資を避けるべきセクターとされており、就航路線や運賃を勝手に決め
られるわけではなく、売上を伸ばすのに自社努力だけではどうにもならない
天井がある一方で、航空機には巨額の投資が必要であるほか、天災・テロ
・原油・為替・事故・新幹線など、ダウンサイドリスクだけは山ほどあります。
それでも飛行機というのは、自分の見たこともない地域に連れて行ってく
れる存在であり、(私の場合)搭乗するだけで、何か自分の世界や可能性
が広がるような特有の高揚感を感じさせてくれるものです。そのため、自
身で飛行機を所有することは難しくとも、空運銘柄に投資することで、非常
に部分的であっても航空会社のオーナーになることが出来るのは、私の
「ロマン」心理を満たしてくれるので、そこは値上がり益等では代えがたい
魅力があります。私はさほど興味がありませんが、一般的にはブランド品
のバッグや時計などを買って所有する心理と似たようものだと思います。
経済合理性が二の次、という意味では“一口馬主”にも感覚も近いです。
ちなみにここでいう空運銘柄と似たようなものに、鉄道銘柄やホテル銘柄
一部の不動産銘柄などがあります。例えばブランド力の高い阪急(阪神)や
東急電鉄、帝国ホテルやプリンスホテル(西武)、丸の内の大家である三菱
地所といった銘柄は、代替不可能な存在であり、「ロマン」というとちょっと
違うかもしれませんが、「プレミアム(希少性)」感を感させる銘柄と言えます。
最初の頃はみんなそうだったかと思うのですが、「ウォークマンが好きだか
らSONYに投資した」とか、「ファミコンが好きだから任天堂の株主になりた
かった」とか、そういう素直な気持ちがあったとか思います。指標的なバリ
ュエーションとかあまり関係なしに自分の所有欲を満たすことが出来れば、
それはそれでよいのではないかと思います。
昨今はお勉強の世界でいう偏差値同様に、所定期間のパフォーマンスの
多寡で投資(家さん)の出来不出来を図ろうとする傾向があるため、ついす
ぐに結果の出そうな銘柄だけを選んでしまいがちですが、「少年の気持ち」
になって、自身がロマンを感じることが出来る銘柄に投資するのも、投資
のリターンのひとつの形であると、個人的にはそう考えています。
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