今期増額済も、来期以降の不安が残る・VOYAGE GROUP(3688)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_0265.JPG

【3688】VOYAGE GROUP(東証一部) ---

現在値 1,396円/100株 PER15.1 PBR 2.15 9月配当優待 3月優待

メディア向け広告配信プラットフォーム企画・運営。販促支援サイトも展開。

配当金は9月一括の15円配当のため、配当利回りは1.07%となります。
VOYAGE GROUPは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末の株主に
対して、"nanaco"や"WAON"等に交換可能な1,000円相当のギフトコードを
進呈しておりますので、単元保有時の配当優待利回りは約2.50%となります。

業績を確認していきます。
■2014年9月期 売上高 150億円、営業利益 18.8億円 EPS 104円
■2015年9月期 売上高 177億円、営業利益 22.3億円 EPS 146円
■2016年9月期 売上高 208億円、営業利益 17.2億円 EPS 61.8円 
■2017年9月期 売上高 250億円、営業利益 19.0億円 EPS 82.6円ce修 
■2018年9月期 売上高 270億円、営業利益 20.0億円 EPS 101.7円四e
□2017年3月中 売上高 134億円、営業利益 13.1億円 EPS 77.4円
□2017年6月3Q 売上高 196億円、営業利益 16.9億円 EPS 70.5円(7/26)

2017年3月期中間の売上高は前年同期比31.6%増の134億円、営業利益
は同22.6%増の13.1億円となり、売上高段階から3割超の伸びとなりました
主力のアドPF事業において、SSPの「fluct」が特にスマホ向けの媒体社
に引き合いが強かったほか、同様にスマホ向けADN「Zucks」も広告出稿
が伸張したため、本セグだけで前年比5割分の増収増益を確保しました。
一方、ポイント事業は前年同期のリニューアルの混乱から、一部顧客の
離反等があったため、当該セグは減収減益となっています。

なお、2017年9月期の予算については本中間時点で増額修正しており、
売上高は前期比20.0%増の250億円(従230億円)、営業利益は同4.6%増の
18億円(従12億円)と、期初から一転して増収増益見込みに転換します。
アドPF事業が強い引き合いを背景に「fluct」「Zucks」ともにスマホ向けの
好伸が見込まれます。既に7末に3Qの数字が出ていますが、通常は閑
散期となる3Q単独ながら着実に数字を積み上げており、増額後の修正
計画に対して、上ぶれピッチで業績進捗しています。

やや気掛かりなのは、高い成長を継続するSSP「fluct」において、広告主
のブランド価値を下げる媒体(※微妙なサイトだが高利益率と推察される)
との取引条件見直しを3Qから実施した結果、関連売上が剥落し、4Q及び
翌2018年9月期以降への業績に少なからず影響が出てくるという観測が
あります。実際に一部の証券会社では、増額後の会社予算未達・来期の
減益予想を出しているところもあるため、アウトルックは注意含みです。

それでも会社側は“火消し”を含め、3Qで配当予想を増額修正10→15円
しておりますし、SSP側の動画PFである「ゴールドスポットメディア」の減損
▲2.5億円を飲み込み、広告ブランド保護ツール提供の「Momentum」を
KDDI系に売却することで、4Qに1.5億円の特別利益が予想されています。
そのため、好調な中間決算→3Q単独赤字転落、という見かけ上刺激的
なものから、通期の最終利益についてもマイルドになると思われます。

そんなわけで、今期はともかく来期以降の展開が非常に気になるところ
ですが、会社側は「アドPF」「ポイント」「インキュベーション」の三本柱で、
10年遅れでやってきたデジタルガレージのような企業体を目指している
ものと思われます。今年は米国加州のSV FRONTIER社と20億円に及ぶ
フィンテックファンドを組成したりしていることもあり(でも出資先が三鷹の

横河電機子会社の機器レンタル会社とかw)、いろいろと形になってくる

まで、少し長い目線で見る必要のある会社かもしれません。

*参考記事① 2017-01-20  1,112円 ---
2桁の売上成長続くも、雌伏期の続くVOYAGE GROUP(3688)。

 

会社四季報 2017年 4集秋号 [雑誌]

新品価格
¥2,060から
(2017/9/10 07:44時点)

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村