【6089】ウィルグループ(東証一部) ---
現在値 1,191円/100株 PER22.8 PBR5.42 3月配当株主優待
人材派遣や業務請負等の人材サービス。家電量販店などの販売現場も。
配当金は年1回で14円のため、配当利回りは1.17%となります。
ウィルグループは株主優待制度を導入しており、3月末の単元株主に対し
て、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約
1.59%となります。また長期優遇制度があり、最長の3年以上保有となった
場合は、クオカード進呈額が2,000円分までハネあがります。
業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 267億円 営業利益 8.0億円 EPS 22.9円
■2015年3月期 売上高 325億円 営業利益 9.3億円 EPS 29.0円
■2016年3月期 売上高 450億円 営業利益 14.2億円 EPS 36.4円
■2017年3月期 売上高 605億円 営業利益 19.6億円 EPS 54.2円
■2018年3月期 売上高 750億円 営業利益 22.5億円 EPS 59.9円 ce
□2017年6月1Q 売上高 177億円 営業利益 5.2億円 EPS 12.9円(8/8)
□2017年9月中 売上高 350億円 営業利益 8.5億円 EPS 19.1円 ce
2017年3月期の売上高は前期比34.6%増の605億円、営業利益は同37.3%
増の19.8億円となり、期初予想線を上回り、大幅な増収増益となりました。
主力の派遣3業務(販売・テレオペ・工場)が軒並み好調に推移したほか、
2015年秋にソフトバンクから買収した広告代理店のクリエイティブバンク社
(年商30億円・営業利益2億円程度)が通期でオンされたため、ここ数期の
間に渡り、トップライン段階から年率2割強の高い成長を実現しています。
進行期である2018年3月期の予算については、売上高が23.8%増の750億
円、営業利益は14.6%増の22.5億円を見込んでいます。派遣3業務(販売・
テレオペ・工場)に関しては、全てのセグメントで概ね2桁を超える売上成長
を確保する見通しで、中でも特に工場向けに関してはコンビニ・中食向け
の需要が好伸により高い伸びが期待されます。この他、今期より独立セグ
となった介護派遣や、前の期に買収したASEANの子会社も寄与します。
また、8月8日に1Qが開示されていますが、前年同期比の売上高は32.3%
増、営業利益は4.4倍となっており、増額含みの進捗をマークしています。
今期は4年中計の2年度目となっており、2020年3月期に売上高1,000億円
(CAGR22%)、営業利益40億円(CAGR30%)を目標に置いています。主力の
派遣3事業において、顧客先でのシェア拡大や、事業拠点数の増加による
展開エリアの拡大にくわえ、今期より独立セグとなった介護や、ネット(IoT)
海外を新3事業として収益化を図る方針です。特に介護は時流に沿う形で
市場自体が大きく伸びているほか、海外に関しても相次ぐMAにより順調に
業績を積み上げております。
この中計実現絡みの新たな“飛び道具”として、本年3月に京都の老舗VC
であるフューチャーVC(8462)と組み、10億円のハウスVCファンドを設立し
ており、これで中長期的に投資先やMA案件の獲得を狙います。が、この
出資金の10億円の捻出や他の成長事業への投資に充てるため、直近で
資金調達をしており、SMBC日興証券に28億円(※発行時点概算)の新株
予約権を発行しております。高い業績成長と引き換えに2割弱もの希薄化
が予想される、「副作用が強い」増資と見られましたが、足許の株価水準
は当初転換価格である@789円を超えて推移しており、発行した36,000個
の予約権は8末現在で既に8割強が消化されているため、会社側の目論
見を超える良好な資金調達が実行出来ているものと推察されます。
一応、本中計期間における総還元性向は、最終的に30%を目標としており
当分は自社株買いは考えにくいので、配当で戻される形になろうかと思わ
れますが、今期期初時点では前の期並みの14円配を据え置いています。
もっとも、派手な資金調達をして高い成長モメンタムを確保している銘柄
ですので、この辺の株主還元は無視してもよい内容かと思います。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。