前中計は大幅未達も、足許の受注は回復基調・カワタ(6292)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6292】カワタ(東証2部) --


現在値 625円/100株 PER11.3 PBR0.6 3月配当優待 9月配当優待

プラスチック成形・合理化周辺機器トップ級。アジア軸に海外展開。

配当金は年2回・合計12円配のため、配当利回りは1.92%となります。

 

カワタは株主優待を実施しており、3末9末の単元株主に対して、500円分

のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは3.52%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 157億円、営業利益 5.8億円 EPS 45.8円 
■2015年3月期 売上高 172億円、営業利益 7.5億円 EPS 60.4円 
■2016年3月期 売上高 175億円、営業利益 7.3億円 EPS 111円 

■2017年3月期 売上高 166億円、営業利益 5.1億円 EPS 29.8円 
■2018年3月期 売上高 170億円、営業利益 7.0億円 EPS 56.5円 ce
□2017年6月1Q 売上高 41億円、営業利益 1.0億円 EPS 1.6円(7/28) 
□2017年9月中 売上高 85億円、営業利益 3.4億円 EPS 27.5円 ce 

2017年3月期の売上高は前期比5.0%減の166億円、営業利益は29.9%減の

5.1億円となり、予算未達で減収減益となりました。国内向けに関しては、

前年度に受注済の大型電池関連案件の寄与により横ばいを保ったものの

アジア向けに関しては、中国の景気減速による設備投資意欲の減退が想

定を超える水準だったほか、タイ・インドネシアなどの東南アジアにおける

自動車関連が低調だったことで、海外は全セグで営業赤字となりました。


進行期である2018年3月期の予算は、売上高が2.1%増の170億円、営業利

益は32.2%増の7.0億円を計画しています。日本・アジアにおける電子部品

関連、自動車関連の伸長と、前の期が低調に終わった中国・台湾の反発

が見込まれます。実際に3末時点の期末の受注残高も35.1→46.2億円へ

前年同期比で3割近く伸ばしているため、この刈り取りが期待されます。

7月末に1Qが開示されており、見た目の進捗率が悪いものの、主力の国

内向けの大型案件が2Q以降の計上になることが要因であり、1Q受注高・

受注残高ともに、前年同期比で3~5割も増加させているため、一旦様子見

で大丈夫かと思います。


当社は今回新たに2020年3月期を最終年度とする3年中計を策定しており

売上高200億円(CAGR6%)、営業利益10.9億円(CAGR28%)を定量目標値と

しています。前回の中計が東南アジアの景気減速の影響等を受け大幅な

未達に終わっているので信頼度は微妙ですが、足許では受注が回復基調

にあるほか、2015年に上海で稼働を開始した新工場の本格稼働と中国の

EV車向けのリチウムイオン電池部材市場への粉体用機器拡販が見込ま

れることにくわえ、北米向けが好調なメキシコ販社の寄与が見込まれます

が、まずは今期を予算どおり作れるかどうかに注目したいと思います。

 

一方、財務に関しては、手許現金と有価証券で借金をほぼネットしており、

主力の三田市の工場や、西成区の工場も保有しているため、特に問題な

しかと思われます。しかしながら当社は、1991年に公募62万株(@1,490円)

と2000年にも公募60万株(@799円)と、2度の公募増資をしておりますが、

依然としてその株価水準を回復出来ておらず、今後も工場の新設や設備

投資・研究開発等で定期的に資金需要が発生する可能性も十分あるため、

今後の株主還元の充実に関してはさほど期待出来ないものと思われます。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
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