【9769】学究社 (東証1部) --
現在値 1,621円/100株 PER15.5 PBR6.23 3月配当優待
東京西部で小中学生向け塾「ena」展開。都立中高一貫校受験に強み。
配当は3月年1回・60円配当のため、配当利回りは3.70%となります。
学究社は株主優待制度を導入しており、3月末に100株以上を保有する
株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待
利回りは約4.31%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 85.5億円、経常利益 11.0億円、EPS 55.0円
■2015年3月期 売上高 93.1億円、経常利益 13.3億円、EPS 76.3円
■2016年3月期 売上高 97.1億円、経常利益 14.1億円、EPS 77.8円
■2017年3月期 売上高 99.2億円、経常利益 15.1億円、EPS 91.3円
■2018年3月期 売上高 108億円、経常利益 17.5億円、EPS 104.5円 ce
□2017年9月期 売上高 53.0億円、経常利益 10.0億円、EPS 60.4円 四e
2017年3月期の売上高は前期比2.2%増の99.2億円、経常利益は同6.7%増
の15.1億円となり、概ね期初計画を達成し、最高益を更新しました。新設
校は10校と前期並みの水準を維持したほか、主戦場の都立中高一貫校
の合格実績も前期比8%増となる682→738名となり、合格者占有率も同3%
増の45→48%と圧倒的な実績を残しました。広告宣伝費や本社移転(後述)
の費用増、授業料値下分による減益を売上増で打ち返した形となります。
進行期の2017年3月期の売上高は8.9%増の108億円、経常利益は15.7%増
の17.5億円と大幅増を見込んでいます。新設校は例年並みの10校を計画
しており、前年の新設校の巡航化と消費者の節約志向の高まりにともなう
公立中高一貫校志向と、同分野における当社の群を抜く合格実績による
集客効果の発現が期待されます。特に値下施策により、手薄だった城東
エリアに本格進出しやすくなり、白鷗中高や両国中高といった当社の合格
実績が手薄な東側の中高一貫校へのアプローチも強化できます。
当社は昨年12月に新宿から代々木に本社移転しておりますが、このビル
は創業者の河端氏の資産管理会社(ケイエスケイ)が直近で購入したビル
であり、そこから賃貸する形となっています。また、その河端氏は本年3月
に社長から会長へ退いており、コンサル上がりの副社長の大久保氏が社
長に昇任しています。河端氏とケイエスケイは昨年2月に株券を放出して
いることから、本社ビルの大家兼会長となって一線を退く雰囲気でした。
が、本年5月にケイエスケイ相手に三者割(6.3億円、@1,589円)と大和証券
相手に新株予約権(12.4億円、当初@1,668円)を発行して、河端氏が個人
で保有する市進ホールディングス(4645)株の15.1%を当社が引き取ることと
なりました。事業戦略上、城東~千葉を地盤とする市進との協業を進める
ことは補完性が高いため理解できるものですが、ケイエスケイが当社株を
安値で売ったり、高値で買い戻したり(※他の少数株主にとっては良いこと)
ちぐはぐな感じもあるため、何か事情がある気がします。なお、市進は筆頭
株主の学研ホールディングス(9470)が、同社創業者の梅田氏の資産管理
会社からさらに株を買い増し、本年5月には同社株の31.4%を握り、持分法
適用会社化していることも補足しておきます。
というわけで、業績堅調にも拘わらず連続増配を急に止めたり(今期も60
円配当を据置予定)、今年から決算マテリアルを一般非公開化しているこ
と等を併せて考慮すると、色々と思惑含みの感じが満載ですが、方向性と
しては悪くないと思われるので、生暖かく見守っていきたいと思います。
*参考記事 2016-08-19 1,174円 --
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