車検会員の課金遅れ気になるも、株主還元は及第点・プロトコーポレーション(4298)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4298】プロトコーポレーション (東証1部) ---

 

現在値 1,741円/100株 PER11.7  PBR1.32  3月配当優待 9月配当 

 

中古車情報誌発行。中古車販売等の広告収入とタイヤ等物販が柱。

配当は3月9月の年2回・50円配当のため、配当利回りは2.87%となります。

 

プロトコーポレーションは株主優待制度を導入しており、3月末に100株を
保有する株主に対して、2,000円分のカタログギフトを進呈しております
ので、配当優待利回りは4.02%となります。

 

業績を確認していきます。

■2014年3月期 売上高 547億円、経常利益 50億円、EPS 128.4円 

■2015年3月期 売上高 486億円、経常利益 45億円、EPS 116.8円 

■2016年3月期 売上高 542億円、経常利益 41億円、EPS▲19.3円
■2017年3月期 売上高 567億円、経常利益 28億円、EPS 75.0円 

■2018年3月期 売上高 655億円、経常利益 45億円、EPS 148.6円 ce

□2016年9月中 売上高 293億円、経常利益 15億円、EPS 50.2円 ce 

 

2017年3月期通期の売上高は前期比4.5%増の567億円、経常利益は同31

.2%減の28.8億円となり、計画比で減収となったものの利益面は予算通り

となりました。主力の「グーネット」とバックシステムの強化を進めるとともに

情報誌「Goo」の雑誌とネットの最適化を進め、販売店とエンドユーザーへ

の対応を強化しました。その他物販事業の好調や、介護等を行う生活関

連事業の業容拡大が収入増に寄与したものの、海外子会社2社の不調や

整備工場向けシステムが前年割れで推移したため、減収となりました。

 

進行期である2018年3月期の売上高は15.6%増の655億円、経常利益は

57.2%増の45.2億円と2桁の増収増益を見込んでいます。顧客安心のため

の中古車鑑定サービスである「iD車両」「Goo鑑定」の浸透により、主力運

営サイトである「グーネット」の魅力強化と中古車販売店の新規加盟拡大

を図るとともに、課金会員化が遅れている車検ポータルサイト「GooPit」の

認知度向上と整備工場への送客数強化に注力する計画です。

 

今期は3年中計の中間年度となっており、最終年度の2019年3月に売上高

767億円、経常利益68.4億円を計画しています。既述の通り、初年度から

「GooPit」や海外事業において課題の残る結果であったため、最終計画値

は据え置いているものの、今期予算に即したマイルストン数値に関しては

営業利益ベースで10億円ほど減額しております。複数の事業で計画割れ

しているため、オーガニックでの数値達成はやや難しいかと思われます。


ということで、今期は急回復を見込むものの、数期前の巡航水準の利益の

復元で精一杯という感じであり、急な業容拡大が見込みずらい介護事業

以外の新規事業の開拓(ないしMA)が求められています。財務的には依然

としてネット無借金状態であり、名古屋の準一等立地に本社ビルも保有し

ていることから、業績頭打ちのわりに余力を余している印象です。ただ、

株主還元についてはある程度しっかりしており、下値での自社株買い傾向

にくわえ、通期50円配と増配基調を継続しているので、この辺の資本政策

まで全部勘案して、投資先としてはまずまず及第点かな、という印象です。

 

*参考記事 2016-08-31 1,174円 ---

減益基調継続も、今期は大増配。プロトコーポレーション(4298)。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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