【3924】ランドコンピュータ(東証2部) --
現在値 1,700円/100株 PER37.9 PBR3.66 3月配当優待
コンサルからシステム導入、保守管理まで行う独立系SI。富士通系に強み。
配当は3末9末の合計18円配のため、配当利回りは1.05%となります。
ランドコンピュータは株主優待制度を導入しておりまして、3月末に100株
以上を保有する株主に対して、2,000円分のクオカードを進呈しております
ので、配当優待利回りは約2.23%となります。
業績を確認していきます。当社は2015年12月のIPO銘柄です。
■2014年3月期 売上高 55.4億円、営業利益 2.0億円 EPS 23.4円
■2015年3月期 売上高 63.3億円、営業利益 3.7億円 EPS 47.7円
■2016年3月期 売上高 74.1億円、営業利益 5.5億円 EPS 62.6円
■2017年3月期 売上高 72.0億円、営業利益 3.6億円 EPS 40.5円
■2018年3月期 売上高 75.4億円、営業利益 4.1億円 EPS 45.1円 ce
□2017年9月中 売上高 35.0億円、営業利益 1.5億円 EPS 18.4円 ce
2017年3月期の売上高は前期比2.8%減の72.0億円、営業利益は同34.2%減
の3.6億円となり、期初計画を割り込みました。主力のSIer分野において、
中心顧客層である金融機関が、マイナス金利によりシステム投資を控えた
ことや、システム統合案件の不採算受注の収束に大きく人手を割かれた
ことが影響しました。他のインフラ分野やパッケージ販売分野に関しては、
「Salesforce」等が堅調に推移したものの、穴を埋めきれませんでした。
進行期の2018年3月期の予算については、売上高が4.6%増の75.4億円、
営業利益は11.5%増の4.1億円を計画しています。一応全てのセグメントで
増収を見込んでいますが、上場期である2016年3月期の営業利益5.5億円
の奪回には及びません。主力のSIer分野において、前の期の不採算案件
の収束にくわえ、金融分野におけるメーカー系の新規取引先拡大により、
増収が見込まれるものの、本社・関西事務所の増床による家賃・固定資
産(減価償却費)の増加や、人件費の増加により利益が圧迫されます。
当社は今般4年中計を策定しており、最終年度の2021年3月期の売上高
100億円(CAGR8%)、営業利益10億円(CAGR28%)を目標としております。
主力のSIer分野において、取引の殆どを占める富士通系SIer(ウエイト46%)
への依存を脱し、現状でのウエイトが5%に留まる日立系SIer(NTTデータ)
への営業深耕を図る計画です。また、業種別では得意の金融業界向けで
さらなる事業拡大を図る目論見であり、金融業界は拡張の余地が大きく、
採算を取りやすい案件が相対的に多いものとみられます。ただ上場2年目
から予算未達となった会社の画餅的中計なので、ひとまずは様子見です。
さて当社は、2015年12月にOA込で約6億円(修正単価@586円)を調達して
上場して以降、株価は公募価格を上回って推移しており、昨年9月に1:3の
株式分割を実施したほか、本年2月には株主優待も新規導入したため、
2017年3月末時点の株主数は2,247名に達しています。当社は上場市場
をJQやマザーズではなく二部市場を選んできており、顧客も金融関係等
も多いことから、上位市場へ鞍替するインセンティブが相応に存するもの
と推察されますので、そろそろその辺も気になってくる頃合ではあります。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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