【6238】フリュー (東証1部) ---
現在値 1,298円/100株 PER13.1 PBR 2.28 3月配当株主優待
プリントシール機の開発・販売首位、シェア7割。消耗品シール等好採算。
実績配当金は3月末に30円のため、配当利回りは2.31%となります。
フリューは株主優待制度を導入しており、3月末に単元株以上を保有する
株主に対して、2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待
利回りを算出すると約3.85%となります。
業績を確認していきます。当社は昨年12月のIPO企業です。
■2014年3月期 売上高 249億円、営業利益 34.1億円 EPS 78.9円
■2015年3月期 売上高 239億円、営業利益 30.3億円 EPS 73.2円
■2016年3月期 売上高 241億円、営業利益 36.5億円 EPS 92.1円
■2017年3月期 売上高 248億円、営業利益 39.2億円 EPS 98.9円
■2018年3月期 売上高 265億円、営業利益 40.0億円 EPS 98.9円 ce
□2017年9月中 売上高 125億円、営業利益 20.0億円 EPS 49.4円 ce
2017年3月期の売上高は前期比3.0%増の248億円、営業利益は同7.0%増
の39.2億円となり、概ね期初予想水準を確保しました。プリントシール事業
においては3機種を投入してプリント回数が堅調に推移したほか、付帯す
るメディア事業も入会・継続促進策の奏功で課金会員が161→163万人に
増加し、利益を押し上げました。一方、キャラクタMD事業に関しては版権
が弱かったり、ゲーム事業に関しては開発投資が先行するなどしたため、
これらのサブセグメントについては軒並み足を引っ張る形となりました。
進行期の2018年3月期の売上高は6.5%増の265億円、営業利益は2.0%増
の20.0億円と増収増益を見込んでいます。プリントシール事業では前の期
に続き3機種の新規投入をするとみられますが、基本的にはメディア事業
の「PiCTLINK」を中心に、課金会員の増加による収益の確保を図ります。
ゲーム事業は足許で開発費と広告費が重くなっているものの、直近の4Q
に広告費を大きく投じた経緯もあるため、この刈り取りが期待されます。
今期は2022年3月期を最終年度とする中計の初年度となっており、5年後
に売上高500億円(CAGR15%)、営業利益100億円(CAGR20%)を目指してい
ます。核となるプリントシール事業は直営店(girls mignon)を50店ほどまで
展開していく方針はあるものの、このセグでは殆ど伸びを見込んでおらず
メディア事業における課金会員の高単価化や、キャラクタMD事業におけ
る版権獲得の強化、そしてゲーム事業を大きく伸ばす計画です。会社側の
目論見としてはゲームを核にアニメ、玩具・グッズで盛大なメディアミックス
で回収する青写真を描いている感じですが、この辺の実力は未知数です。
足許ではマザーズ上場のコンタクト屋のシンシアとカラコン分野で提携し、
物販を強化する方針を打ち出していますが、業績寄与はかなり軽微です。
当社は無借金で財務が非常に良く、現金も110億円超溜め込んでいます。
そのため、意欲的な数字が踊る中計を達成するためには、かなり積極的
な展開必要となりますが、潤沢な手元資金を活かしたMAなどをする感じ
はなく、基本はオーガニックな成長を目指していると思われます。要注意
な点は、ゲーム事業を今後のコアとした全方位戦略に拘るあまり、ゲーム
事業に無尽蔵に広告費を費やすなどのバッドシナリオであり、中計が思惑
通りにいかない場合、素直に株主還元(現行は配当性向30%)に舵を切れる
かどうか・・・といったところが、ポイントになってくるかと思われます。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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