【5456】朝日工業(東証JQS) ---
現在値 1,386円/100株 PER6.4 PBR1.15 3月配当優待 9月配当
関東の中堅電炉。建築用棒鋼が主力。有機肥料・種苗など農業資材も。
配当は年2回・合計30円配当のため、配当利回りは2.16%となります。
朝日工業は株主優待制度を導入しており、3月末に100株を保有する株
主に対して、おこめギフト券を4枚(※300株までは保有株式数に比例増)
進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.43%となります。また、長期
優遇として、1年以上保有株主に5百円のクオカードも進呈しております。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 435億円、経常利益▲6.4億円、EPS▲1,585円
■2015年3月期 売上高 354億円、経常利益 3.4億円、EPS 78.5円
■2016年3月期 売上高 363億円、経常利益 19.3億円、EPS 357.7円
■2017年3月期 売上高 325億円、経常利益 11.5億円、EPS 117.1円
■2018年3月期 売上高 370億円、経常利益 17.0億円、EPS 214.2円 ce
□2017年9月期 売上高 160億円、経常利益 4.9億円、EPS 37.1円 四e
2017年3月期の売上高は前期比11.0%減の325億円、経常利益は同42.3%
減の11.1億円となり、期初予想を割り込みました。主力の鉄鋼建設資材
部門は五輪需要を取り込めず需要が低調だったことおよび、原料のスク
ラップ価格が旺盛な海外需要を背景に4Q 頃に急伸したため、メタルスプ
レッド(販売価格-スクラップ仕入)が縮小し、所謂“二重苦”となりました。
また農業部門に関しても、飼料「エコレット」の販売数量は伸びたものの、
販売単価の下落が響き、鉄鋼部門同様にセグメント減益となりました。
なお進行期の2018年3月期の売上高は14.4%増の370億円、経常利益は
52.4%増の17.0億円と反転増を予想しています。鉄鋼建設資材部門では、
高強度・太径・ネジ節等種目を絞ったスペシャルな鉄筋に注力することと
しており、中でも高強度鉄筋のアイテム数を拡充し、五輪需要等に備える
方針です。また、2年前に生産を停止した特殊鋼の生産も再開します。
農業部門については、「エコレット」を中心とした肥料の拡販を実施すると
ともに、大玉トマト「有彩」・かぼちゃ「プリメラ」といった自社品種種苗に関
しても、国内外に販売展開していく計画となっています。
今期は2019年3月期を最終年度とする中計「ASAHI2018プロジェクト」の中
間年度であり、来期売上高370億円、経常利益21億円を目標に置いてい
ます。砕石砕砂事業において、子会社の上武が昨年11月に群馬の砕石会
社より事業譲受を受けた以外は、これといったトピックもなく、さらに初年度
から業績未達となってしまったので、この中計の信頼度はイマイチです。
当社は2014年5月の雪害による製鋼工場の停止や4期連続の最終赤字を
理由に「継続企業の前提に関わる注記」がついておりましたが、既にこれ
を解消しており、足許の数字は未達ながらも、しっかりとした黒字基調を継
続しているため、社の存続どうこうが議論される次元は抜けたと思います。
そのため、前の期こそ大方の期待を裏切り、10円減配の通年30円配当に
留まりましたが、今期はこの株主還元の充実に期待がかかります。配当
性向の目標は掲げていませんが、自己資本比率も30%台まで回復してお
りますので、40円までは難なく増配することが可能かと思われます。そして、
本当に良いシナリオは再編絡みなのですが、当社の場合、上場したのも
2000年以降と同業の中ではかなり遅く、株主もバラバラなので、なかなか
それ狙いで手掛けるのも難しいかな・・・という印象です。
(買収するにしても、今度は農業部門や砕石が要らないという話になる。)
*参考記事① 2016-07-25 1,079円 ---
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