石炭"一本足打法"からの脱却進む、三井松島産業(1518)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1518】三井松島産業(東証一部) --ー

現在値 1,436円/100株 PER12.5 PBR0.59 3月配当株主優待 

柱は豪州生産、輸入販売など石炭産業。豪以外の権益も拡大。 
配当金は3末一括・40円配当のため、配当利回りは約2.79%となります。

三井松島産業は株主優待を実施しており、3月末に単元以上保有する株

主に対し、6,000円分の自社運営宿泊施設の宿泊割引券を進呈している

ため、計算上の配当優待利回りは約6.96%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 773億円、経常利益 25.2億円 EPS 110円 
■2015年3月期 売上高 679億円、経常利益 6.0億円 EPS 42.2円 
■2016年3月期 売上高 585億円、経常利益 13.7億円 EPS 109円 
■2017年3月期 売上高 530億円、経常利益 9.5億円 EPS 98.7円

■2018年3月期 売上高 690億円、経常利益 25.0億円 EPS 114円 ce
□2017年9月中 売上高 345億円、経常利益 7.5億円 EPS 57.4円 四e 

2017年3月期の売上高は前期比9.4%減の530億円、経常利益は同30.5%減

の9.5億円となり、減収減益とはなったものの、期初予想を飛躍的に上回り

ました。主力の石炭販売における価格の低下(8,432→7,932円/t)と数量減

石炭生産に関しては豪ドル(決済はUSD/AUD)安の恩恵があったものの、

こちらも価格低迷が足を引っ張る形となりました。ただ非石炭の生活関連

事業に関しては、2016年に買収した衣料品の花菱縫製の通期稼働効果も

あり、のれん代の償却はあるものの、収益を下支えする形となりました。


進行期である2018年3月期の売上高は30%増の690億円、経常利益は1.6

倍の25億円を見込んでおり、大きく改善する計画です。主力の石炭分野に

関しては、数量増と石炭相場反転による販売価格復元(7,932→8,754円/t)

により業績の牽引が見込まれます。また生活関連事業については、本年2

月に40億円を投じて買収したマスクブランクスの成膜加工を行う、クリーン

サアフェイス技術(年商26億円・営業益4億円)の業績が通期でオンされます。

但し同社の純資産は16億円のため、一定ののれん償却が発生します。

 

当社は中期的な業績目標値を開示していないものの、定性的な成長戦略

としては、石炭事業に関しては、主力の豪州リデル炭鉱の現行採掘エリア

が5~6年で終掘になってしまうため、新エリアの開発を検討しています。

またこれと別で、インドネシアのGDM炭鉱の採掘に関しては、2018年中に

坑内掘りでの出炭・商業生産が開始する見込みであり、当社持分で年産

30万tの生産寄与が見込まれます。非石炭については、累計投資額123億

円に対して、年間23億円(予想)のEBITDAを生み出すなど、"目利き力"の

あるMAが実施出来ているので、事業間シナジーが薄い点は多少気にな

るものの、好財務を活かした買収政策が今後も期待出来そうです。

 

ちなみに株主還元については、今期も40円配の継続を予定していますが

「資源一本足」打法からの脱却が着実に進んでいて、業績安定感が増して

くること等を勘案すると、石炭相場がよほど荒れない限り、緩やかな増配

基調に転換してくると推察されます。まずは5年前に出した記念配当50円

水準がターゲットとなり、それくらいであれば無理もないように思います。

 

 

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