【3673】ブロードリーフ(東証1部) --
現在値 762円/100株 PER30.3 PBR1.92 6月配当 12月配当株主優待
整備、部品商など自動車アフター市場向け業務アプリで高シェア。
配当金は年2回合計22円の配当のため、配当利回りは2.89%となります。
ブロードリーフは株主優待制度を導入しており、単元保有の株主に対し、
12月末に3,000円相当のクオカードを進呈しておりますので、配当金と
合計した配当優待利回りは約6.82%となります。
業績を確認していきます。
■2012年12月期 売上高 156億円、経常利益 20.3億円 EPS 18.2円
■2013年12月期 売上高 180億円、経常利益 36.3億円 EPS 38.5円
■2014年12月期 売上高 188億円、経常利益 41.6億円 EPS 42.0円
■2015年12月期 売上高 168億円、経常利益 25.1億円 EPS 25.2円
■2016年12月期 売上高 168億円、経常利益 22.7億円 EPS 24.1円
■2017年12月期 売上高 170億円、税前利益 19.6億円 EPS 27.3円ce
□2017年6月中間 売上高 81.0億円、税前利益 6.0億円 EPS 8.7円 ce
2016年12月期の売上高は前期比0.2%増の168億円、経常利益は同10.5%
減の22.7億円となり、前期に続いて売上・利益ともに計画未達となりました。
主力のシステム販売事業において、メインである自動車系のユーザー更新
数が1割弱も低下したことが要因で、ネットワークサービス事業が増収を
確保したものの、その穴を埋めるには至りませんでした。
進行期である2017年12月期はIFRS移行のため単純比較はできないものの、
売上高は微増の170億円、税前利益は19.6億円を予想しています。システム
販売事業の自動車系は契約期間の短縮傾向にともない、前の期同様に更新
数の低調推移を見込んでおりますが、非自動車系は更新・新規とも2割弱の
伸びを想定しています。今期は圧迫要因の機器仕入が例年並に落ち着くこと
や、IFRS適用により営業利益段階から6億円もの利益がカサ上げされますが、
人件費の増加が極めて重く、実質的には1割程度の減益となる見通しです。
当社は上場前の2009年に、オリンパス子会社のITXに紐付く子会社でしたが
経営陣がカーライルと組んでMBOした経緯があります。その際に事業会社を
買い上げたビークルであるSPCが現在の"当社"であり、その際に133億円もの
プレミアムを付けたので、巨額なのれん代を年間7億円弱償却していました。
そして今般、満を持してのIFRS移行となり、当初カーライルが目論んだ通り、
未償却のれん代・約86億円を抱きかかえたまま会計基準変更となりました。
そもそも前年2月に公表された中計上では、2016・2017年は新システムへ
の投資と既存システム並存に伴うダブル費用などで、投資先行となることが
当初から見込まれておりながら、2016年も大幅未達の決算となっています。
当社は1年フライングして、翌2018年12月期の予想も開示しており、売上高
190億円、営業利益32億円を予想しているものの、信頼性は相当薄いです。
(むしろIFRSで6億円も利益嵩上げしてこれかよ・・・という内容です)
ただ救いなのは、巨額ののれんを抱えているものの、財務だけはよいことで
16億円の借金をネットして、なお60億円の現金を有しております。そのため、
会社側では「配当性向20%基準」と言いつつも、実際はフル還元に近い22円
配当を今期も計画しています。当社の特徴として、外国人持株比率が異様に
高く、その手前もあるので簡単に減配出来ない事情などもありそうです。
当社に投資する上で留意したいのが、既存システムからクラウド等の新しい
システムに顧客を移管出来ないなどの理由で、収益性が著しく低下した場合、
のれんの取扱いがどうなるか・・・という点です。圧倒的な顧客基盤を既に
握っているので、杞憂になるかもしれませんが、クラウド自体の障壁は高く
ないので、異業種参入等で一気にひっくり返る可能性も頭に入れておいた方
がよいかと思われます。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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