騒いだ人とクリレスだけが負ける「磯丸すし」問題。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_5508.JPG

16日にヨシックスが「磯丸すし」を運営するSFPダイニングに対して、店舗の
外観が似ているとして名古屋地裁に使用差止と約417万円の損害賠償を求
める訴訟を起こしたことは既報のとおりです。

これを受けて優待族を中心とする個人投資家さんからは、「両方もってるから
どっちが勝っても関係ない」「両方もってるから仲良くして」「SFPをもってる
から磯丸頑張れ」「ヨシックスをもってるからや台ずし頑張れ」・・・とかそう
いう記事が見られましたし、感想としてはまぁそんなもんだろうかと思います。

で、私の基本的な考え方としては「訴訟の勝ち負け自体は議論の意味が殆どな
く、どちらに転んでも本訴訟はヨシックス側のメリットが大きい」という考えです。

これは私の勝手な憶測に基づくものですので、多分に実態と異なるところがある
と思いますが、ヨシックスは訴訟によるPRを狙った部分が大きいと思います。
「鳥貴族」vs「鳥二郎」、「コメダ珈琲」vs「マサキ珈琲」の時はマスメディアが勝手に
大騒ぎしてくれましたし、しかもコメダの訴訟の際は外食業態訴訟としては異例
のオリジナル側勝訴の判例も出ていますので、あわよくば勝つ可能性もあります。

また「磯丸水産」なら兎も角、出店数も地域も限らている
「や台ずし」の一般的
な知名度などほとんど
ありませんので、あの「磯丸」と並んで報道されることで
ヨシックスと「や台ずし」の知名度は劇的に向上します。PR会社のベ〇ト〇と
かに頼んで、テレビ〇京のビジネス番組に多額の広告費を払って、ス〇マ風の
番組を流してもらうことと比較すれば、訴訟費用なんて最早タダみたいなものです。

また、一店舗しかない「磯丸ずし」に噛みついたのも重要なポイントと言えます。

現時点では
最大でも1個店に若干の改装をすれば解決してしまう様なレベルの
話ですので、双方とも会話が成立する
上場企業であることを考慮すると、最初か
ら早期和解の
落としどころまで想定した半ば"出〇レース"のようなものです。
要は経済的に些細な問題でなるべく世間に騒いでもらって、知名度を上げること
ができれば、訴訟の勝ち負けはともかくヨシックス側の思惑通りと言えそうです。

更に突っ込んで言うと、どうせヨシックスもSFPも足元で客足が伸び悩んでいま
すので、SFPとしても世間に飽きられかけている「磯丸水産」が再び人々の話題
にのぼること自体は決して悪くない話とも言えます。じゃあ一番負けるのは誰か
というと、上述のとおり本件で大騒ぎした人・メディアと、SFPの親会社のクリレス
かと思います。特に本件はSFPの業態開発力の低さが原因で発生した問題です
ので、
独創的なマルチブランドを標榜するクリレスにとってパ〇リ疑惑がついて
しまった
ことは、会社の信頼を大きく損なう事案だと思います。クリレスは元は
三菱商事系
の毛並みの良さを誇る紳士の会社ですので、このような子会社の
失態は"激おこ必至"の事案になろうかと思われます。

(注:当方はヨシックス・SFP・クリレス3社全ての株式を保有する立場にあります)

週刊東洋経済 2017年3/18号 [雑誌](2017年この会社がスゴい!  絶好調企業)

新品価格
¥2,060から
(2017/3/12 09:56時点)

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。