33億円の改修工事が完了、横浜の迎賓館・ホテル、ニューグランド(9720)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9720】ホテル、ニューグランド(東証JQS) ーーー

最終気配値 2,922円/100株 PER343.7 PBR0.48 11月無配株主優待

横浜財界が母体となった港に臨む伝統あるホテル。ブランド力強い。
実績配当金は無配、配当予想に関しては未定となっています。

ホテル、ニューグランドは株主優待制度を実施しており、100株以上の11末
の株主に対して1,000円分のポイントを進呈しているほか、レストランで使用
出来るコーヒー券を5枚進呈しておりますので、これを1枚890円で計算した
場合の優待利回りは約1.86%となります。

業績を確認していきます。
■2013年11月期 売上高 55.2億円、営業利益 1.9億円 EPS 90.1円  
■2014年11月期 売上高 49.1億円、営業利益▲3.1億円 EPS▲218円
■2015年11月期 売上高 54.6億円、営業利益 0.4億円 EPS 64円
■2016年11月期 売上高 44.8億円、営業利益▲5.9億円 EPS▲810円
■2017年11月期 売上高 55.0億円、営業利益 0.2億円 EPS 10.3円 ce
□2017年5月中間 売上高 26.2億円、営業利益 0.0億円 EPS 1.2円 ce

2016年11月期の売上高は前期比17.9%減の43.5億円、営業利益は同赤転の
▲5.9億円となり大幅な減収減益(赤転)となりました。元よりこの期は14年か
ら続く本館大規模改修工事のⅡ期工事期であり、宿泊・宴会・料飲の主要
3セグメントが軒並み10~20%の減少となったものの、苦戦した料飲部門を
宴会部門でカバーしたため、
期初予想比ではやや上ブレして着地しました。

なお今2017年11月期に関しては、売上高が22.7%増の55億円、営業利益は
黒字転換し0.2億円を見込んでおります。Ⅰ期工事で10億円、Ⅱ期工事で23
億円の費用を投じた大規模改修工事が前の期で終了したため、晴れて投資
回収にかかる一年となる見通です。"貸し止め"がなくなる分、業績の確実
な良化が見込まれますが、今度は減価償却費が重く伸し掛かってきます。

また当社は今2019年11月期を最終年度とする3年中計を1月に開示しており、
売上高56.8億円・営業利益1.4億円を計画しています。ほぼ築古ホテル単独
事業という特殊業種のため、会社側独自の経営指標でも目標値を示しており
営業損益に対して減価償却費と修繕費を戻した修正CFを【4.0→5.9→7.3/
単位:億円】として各年に置いていますが、数値有意性は薄いと思われます。

これまで当社は無借金経営でありながら、横浜の一等地にホテル土地建物と
隣地のビルまで保有する"純粋含み資産銘柄"だったのですが、既述の大規
模改修工事に33億円もの大金を突っ込んだため、財務面が一気に悪化し、
金利負担も発生する様になりました。そのためこれまで安定的に維持してき
た年25円配も見送られることとなり、前の期より無配転落してしまいました。

今後はこの社運を賭けた大規模改修でADRの上積みを図る形ですが、簡単に
取り返せるような水準の金額ではないので、横浜の林市長の掲げる「横浜市
都市臨海部再生マスタープラン」で掲げる、山下ふ頭の再開発での大規模な
集客施設(平たく言うとカジノ)などの外部要因に期待していく形となります。

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