APLL買収寄与も利益まだ先、近鉄エクスプレス(9375)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9375】近鉄エクスプレス(東証一部) --

現在値 1,780円/100株 PER18.3 PBR1.38 3月配当優待 9月配当優待

国際航空貨物混載大手の一角。国際網充実。商船三井が2位株主。
配当は3末9末の年2回計26円配当のため配当利回りは1.46%となります。


近鉄エクスプレスは株主優待制度を導入しており、3末9末に単元以上を
保有する株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、
配当優待利回りは約.02%となります。なお、1年以上保有を継続した場合
は1回あたりのクオカードが4倍の2,000円となりますので、その場合の配
当優待利回りは3.70%となり、利回り的には一気にジャンプします。


業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 2,815億円 営業利益 137億円 EPS 130円
■2015年3月期 売上高 3,271億円 営業利益 165億円 EPS 145円
■2016年3月期 売上高 4,205億円 営業利益 153億円 EPS 135円
■2017年3月期 売上高 4,810億円 営業利益 125億円 EPS 97円ce修正
□2016年9月中 売上高 2,273億円 営業利益 42億円  EPS 16円(11/8)

2016年9月期中間期の売上高は前年同期比38.1%増の2,273億円、営業利益
は同35.0%減の42億円となり、期初予想を下回って着地しました。国内輸出
貨物は自動車関連が鈍く、同輸出貨物はエレキ関連も低調に推移したほか
前期堅調に推移した米国も西海岸向けが反動減となり、一部アジア域では
底堅かったものの、全般軟調となりました。APLLも前年並みとなりました。

なお2017年3月期通期予想を1Q時点で修正しており、売上高を5,340→4,810
億円(
前期比14.5%増)、営業利益164→125億円(同27.4%減)へそれぞれ減額
しています。上期不調の影響は大きく、中間期は減額後予想とコンセンサス
水準の両方を下回ってしまっため、下期巻き返しも苦しいかと思われますが、
足許ではやや円安に振れているため、為替の戻り分は多少期待できます。

今期は2019年3月期を最終年度とする中期経営計画の初年度となっており、
3年後に売上高6,340億円(CAGR15%)、営業利益220億円(CAGR13%)を計画
しております。基本的に当社は物量確保を最重点課題としており、利益以上
に国際物流業界でのプレゼンス向上に重きを置いています。そのため米州
自動車メーカーに強みをもつAPLLを軸として業容拡大を志向しており、重要
KPIとして、「航空70万t・海上70万TEU」の数字をそれぞれ置いています。

今上期を見る限り、APLLののれん消却があまりに重く、そのわりに売上段階
から未達気配のため、中計出だし6か月で早くもつまずいた感じはありますが、
会社側では中計の数字は据え置いているので、一旦様子見したいと思います。
また、今期も通期減額修正はしたものの、配当予想については据え置いており
ここ数年は【18.5→20→23→26→26円(予】と増配傾向を継続していることから、
業績未達でも増配する可能性が残っている印象も受けます。財務的にも余裕
があり、当社の44%の株を握る近鉄本体としても現金はいくらでも要るでしょう
から、ある程度は現金を吐き出していく形になろうかと思います。

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