【6040】日本スキー場開発(東証マザ) --
現在値 1,902円/100株 PER22.3 PBR3.2 7月無配 株主優待あり
日本駐車場開発の子会社。白馬八方尾根など有名スキー場運営。
日本スキー場開発は配当実績がなく、今期も無配を予想していますが
株主優待を導入しており、単元株以上を保有する7月末株主に対して、
自社グループ運営スキー場の割引券と、親会社の日駐開が運営する
駐車場の1日利用割引券を進呈しています。
業績をチェックしていきます。
■2013年7月期 売上高 40.3億円、経常利益 5.5億円 EPS 123円
■2014年7月期 売上高 49.0億円、経常利益 7.2億円 EPS 121円
■2015年7月期 売上高 58.8億円、経常利益 9.0億円 EPS 89.7円
■2016年7月期 売上高 55.8億円、経常利益 0.9億円 EPS ▲14.6円
■2017年7月期 売上高 70.0億円、経常利益 9.9億円 EPS 85円ce
□2016年6月中間 売上高 27.4億円、経常利益 4.3億円 EPS 40円
2016年7月期の売上高は前期比5.1%減の55.8億円、経常利益は同88.7%
減の0.9億円となり、期初計画を大幅に下回りました。歴史的な暖冬少雪
の影響によりスキー場のオープンが大幅に遅れたほか、軽井沢のバス
事故によるマインド低下もあいまって、赤字寸前の大減益となりました。
(※1月の下方修正後の数値を守って着地している点は、別途評価可能)
なお2017年7月期通期の売上高は25.3%増の70億円、経常利益は約10倍
の9.9億円を予想しています。積雪量が例年並みであることを前提として、
2015年7月並みの来場者数が確保されることと、昨年11月に東急電鉄系
の上田交通から菅平高原スノーリゾートを運営するハーレスキーリゾート
を買収(買収対価2億円、年商3.5億円)したことによる新規稼働効果により
トップラインから大幅な増収を確保する見通しとなっています。
当社は前の期の教訓を活かし、天候(降雪量)によらない収益基盤の確立
に努めており、特に"グリーンシーズン"と呼ばれる夏場の来場者の獲得
に注力しています。中でも竜王マウンテンパークの「SORA terrace」は、
世界最大級166人乗りのロープウェイを備えるとともに、標高1,770m地点
から、雲海や高山植物が楽しめるという無二の競争力を備えた観光施設
に仕上がっており、"スキー場以外"の企画力の高さが伺えます。
本年4月には大阪・金剛山のロープウェイも新たに受託していることもあり、
今後はさらなる業容拡大が期待できるほか、本業のスキー事業に絡めた
旅行事業である「NSDトラベル」を開始しており、当社が直営する観光地へ
直接的な送客をすることで、フルラインでの利幅を狙っていく模様です。
特に注力するインバウンド顧客は「爆買い」から「コト消費」に急速にシフト
しているため、この旅行事業開始は非常に大きな意味を持つ施策です。
また当社はスキー場会社にもかかわらず、財務状態が非常に良好であり、
手元現金18億円に対して、借金が僅か3億円しかありません。そのため、
その気になればいつでも配当を開始出来るだけの体力がある筈ですが、
親会社の日本駐車場開発もネット無借金で現金がダブついていることや
去年の公募価格である@1,785円(2分割考慮)まわりをウロウロしている
こと等が理由で無配と思われます。初配は鞍替時が目安でしょうかね。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。



