円高で中計赤信号も、底堅さ見られる。日本コンセプト(9386)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9386】日本コンセプト(東証2部) --- 

現在値 850円/100株 PER11.6 PBR2.2 6月配当優待 12月配当優待

タンクコンテナを用いた化学品、薬品、食品など液体物流。輸送自体は外注。
配当は6末12末の2回・合計30円のため、配当利回りは3.57%となります。

日本コンセプトは株主優待制度を実施しており、6月末の単元株主に対して2,000
円分のカタログギフト、12月末に1年以上長期保有する単元株主に1,000円分の
クオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約7.05%です。

業績は下記の通りとなっております。
■2013年12月期 売上高 91.1億円、経常利益 20.4億円 EPS 93.3円  
■2014年12月期 売上高 103億円、経常利益 18.2億円 EPS 88.6円 
■2015年12月期 売上高 110億円、経常利益 19.8億円 EPS 99.3円
■2016年12月期 売上高 103億円、経常利益 13.9億円 EPS 72.5円
ce修正
□2016年6月中 売上高 54.3億円、経常利益 8.7億円 EPS 45.6円(8/12)

2015年12月期の売上高は前期比6.8%増の110億円、経常利益は同9.0%増の19
億円とほぼ会社側計画線通りの着地となり、増収増益を確保しました。円安の
進行にともなう日系企業の業績向上が当社業績を牽引し、下半期にやや伸び
を欠いたものの、中部支店開設や神戸支店増強などの諸コストも吸収しました。

なお足許の2016年12月期通期に関しては、折からの大幅な円高の影響を受け
売上高が6.0%減の103億円(※期初予想は118億円)、経常利益は29.9%減の13.9
億円
(※期初予想は20.8億円)にそれぞれ修正しております。前の期の営業拠点
拡大効果もあり、取扱高自体は順調に増えており、会社側の説明によれば、なお
毎月単月で1億円の経常利益を確保しているとのことですので、減額修正幅ほど
の悲観は不要と考えます。2Qの対通期予想経常利益進捗率も62.5%です。

残念なのは、3年中計を本年
2月に策定したばかりにもかかわらず、僅か半年で
見直しを迫られていることであり、2018年12月期に売上高134億円(CAGR7%)、
経常利益24.6億円(CAGR7%)の数字を置いていますが、3年間で経常利益20億円
水準を回復する程度でいっぱいいっぱいかと思われます。

それでも中長期的には"シェール革命"により(液体)化学品の大幅増産の流れ
は必至の情勢であり、既に当社は北米ヒューストンに現法を解説しているほか、
NYにも拠点の新設を検討しています。また、国内についても上述の拠点の他に
鹿島・千葉・坂出・北九州に新規拠点の開設を検討しており、加えて年間300本
のタンクコンテナを新規稼動させる計画です(※2015年12月期末/6,156本)。その
ため、極端な円高展開さえなければ、これらの要素がストック的に稼動することで
今期修正予想レベルの業績であればほぼ確実に達成可能と推察されます。

他方、株主還元については足許でも積極化させてきており、通期20円→30円へ
10円も増配して高配当株の仲間入りを果たしています。また同時に株主優待の
拡充も実施しているので、この辺は次の段階を睨んでのものかと思われます。
(※なお当社は9月2日付で東証二部へ指定変更済みです)

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