中計信頼度は微妙も、株主構成は大変動・関門海(3372)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3372】関門海 (東証二部)  --

現在値 307円/100株 PER59.0  PBR9.3 3月無配株主優待 9月株主優待

フグ料理『玄品ふぐ』が主力でカニ料理店も。冬場に通期利益の大半稼ぐ。
今期の配当は期初時点で無配予想となっています。

関門海は株主優待を導入しており、300株保有の3月末・9月末株主に対して、
3,980円分の食事券を進呈していますので、優待利回りは約8.64%となります。

業績を確認をしていきます。
■2013年3月期 売上高 56.2億円 営業利益 0.8億円 EPS 1.8円  
■2014年3月期 売上高 52.7億円 営業利益 1.2億円 EPS▲4,4円
■2015年3月期 売上高 51.1億円 営業利益 2.0億円 EPS 4.4円
■2016年3月期 売上高 52.0億円 営業利益 1.6億円 EPS 1.9円
■2017年3月期 売上高 48.0億円 営業利益 2.3億円 EPS 5.0円 ce
□2016年1Q  売上高 7.2億円 営業利益▲2.0億円 EPS▲17.3円 (8/12)
□2016年9中売上高 15.5億円 営業利益▲3.7億円 EPS▲30.3円 ce

2016年3月期通期の売上高は前期比1.7%増の52億円、営業利益は同18.1%減
の1.6億円となり、期初計画を下回りました。既存店売上高は100%水準をキープ
したものの、原価のふぐの高騰やFC展開の強化に向けて本部体制を強化した
ため、人件費が増加しました。期中のふぐの高騰を見越したヘッジとして、序盤
で大量の仕入れを行ったものの、カバーしきれませんでした。

今2017年3月期通期の売上高は7.8%減の48億円、営業利益は39.6%増の2.3億円
と大幅な増益を計画しています。年商7億円あった関門自動車道・壇ノ浦PAの
運営受託契約を前の期末で終了させたため、売上高が大幅に剥落するものの
同事業はそもそも不採算であったため、採算性が改善します。また前期に全国
のエリアFC(68枠)の契約を済ませたため、出店が加速する見込みです。

今期は2018年3月期を最終年度とする中期経営計画の中間年度となっており、
最終年度である来期の売上高を53億円、営業利益は4億円を計画しています。
初年度未達だったため、達成信頼度は低めですが、当社に限らずふぐ料理店
業界全体にインバウンド特需の追い風が吹いているため、取込いかんで達成
の目があります。外国人はふぐの季節感など関係ないので、夏場の超閑散期
に団体で囲い込めれば一気に業績が改善する可能性があります。また、他の
閑散期対策として、一部店舗で鰻の取り扱いも始めているようです。

当社は今年の7月に食品卸の尾家産業やストライダーズの投資子会社および
一般個人相手に5億円(@270円、▲7.5%ディスカウント)の第三者割当増資を
実施しております。上述のインバウンドへの対策費用としてもいくらか回される
ようですが、メインの資金使途が「ふぐの一括仕入資金」となっており、かなり
小手先感の漂う施策となっているのは気になりますが、これらの増資割当先
に加え、サントリー酒類やASIAN STAR(陽光都市開発)の大株主でもある
徳威國際發展有限公司(※董事長は陽光都市会長の呉文偉氏)が当社の
大株主に名前を連ねてきており、かなり役者が揃ってきた感じがあります。

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