心斎橋建替もインバウンドでカバー、J.フロント リテイリング(3086)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3086】J.フロント リテイリング(東証1部)  --

現在値 2,000円 PER21.0 PBR1.37 2月配当優待 8月配当優待

百貨店の大丸と松坂屋が統合。関西、中京圏が地盤。子会社にパルコ。
配当金は2月8月の年2回で合計26円で、配当利回りは1.30%となります。

J.フロント リテイリングは株主優待制度を実施しており、100株以上を
保有する2末・8末株主に対して、10%割引優待カードを進呈しております。
このカードは有料催事も同伴者1人まで無料となるため、1,000円の催事
に年2回行ったと仮定した場合の配当優待利回りは約3.30%となります。

業績を確認していきます。
■2012年2月期 売上高 9414億円、経常利益 229億円 EPS 71円 
■2013年2月期 売上高 10927億円、経常利益 322億円 EPS 46円  
■2014年2月期 売上高 11463億円、経常利益 405億円 EPS 119円
■2015年2月期 売上高 11495億円、経常利益 404億円 EPS 75円
■2016年2月期 売上高 11800億円、経常利益 465億円 EPS 97.3円 ce修正
□2015年8月中 売上高 5733億円、経常利益 230億円 EPS 57円

2015年8月中間期の売上高は前年同期比2.8%増の5733億円、経常利益
は28.8%増の230億円となりました。前年の消費増税の反動増に加えて、
インバウンド効果で大丸心斎橋店・梅田店・札幌店の売上高が好伸し、
期初計画を上回って落着しました。

なお2016年2月期通期の売上高は2.7%増の11800億円、経常利益は14.9%
増の465億円にそれぞれ上方修正しています。松坂屋銀座店・上野店南館
が建替休業中であることに加え、ついに旗艦店である大丸心斎橋も12月に
建替休業に入ってしまうこと等も考慮すると、意味のある増額修正です。

また中期経営計画で2017年2月期の営業利益目標を500億円と定めている
ため(※今期の修正後の営業利益予想は470億円)、この増額修正により、
中計の達成の現実味が高まったことも特筆すべきポイントであります。

当社は「アーバンドミナント」と呼ぶ都心部集中戦略を採っており、百貨店
である大丸・松坂屋はもちろん、パルコも大都市にしか店舗がないため、
効率的にインバウンドの刈り取りが出来ています。足元のインバウンド向け
売上高は前年同期比で4.5倍に大膨張しており、今後は心斎橋のラオックス
の移転増床効果も見込まれるため、建替え減収の穴埋めが期待できます。

最後に株主還元ですが、今期配当については1円増配の26円(配当性向
26.7%)を予想しておりますが、目標の配当性向を30%に定めているため、
なお増配余地があります。また先述の中計目標利益の達成が見えてくる
場合には、ROE8%という別の定量目標値が意識されることとなるため、
この観点からも株主還元が期待出来ますが、来期までは建替などの資金
需要もあるので、本格的な還元は再来期以降になるかもしれません。

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