「プレミアム牛めし」導入も牛肉価格高騰が打撃、松屋フーズ(9887)の短評。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9887】松屋フーズ(東証1部)投資判断 新規Outperform

現在値 2,373円/100株 PER71.0 PBR1.36 3月配当優待 9月配当

『牛めし』中心の定食店を展開。東名阪に加え、全国規模の出店に本腰。
配当は3月9月の年2回で24円配当のため、利回りは1.02%となります。

松屋フーズは株主優待制度を導入しており、3月末現在の単元株主に
牛めし・とんかつ店舗にて主要メニュー等より1品選択可能な食事券を
10枚進呈しております。定食を選択したと仮定し、1枚当たり580円で
換算した場合の配当優待利回りは約3.45%となります。

業績を確認していきます。
■2012年3月期 売上高 756億円、経常利益 48.7億円、EPS 111.7円  
■2013年3月期 売上高 790億円、経常利益 19.5億円、EPS 40.4円  
■2014年3月期 売上高 789億円、経常利益 23.5億円、EPS 36.2円
■2015年3月期 売上高 811億円、経常利益 21.9億円、EPS 33.9円
■2016年3月期 売上高 836億円、経常利益 24.5億円、EPS 44.6円 ce
□2015年9月中間売上高 404億円、経常利益 4.5億円、EPS 1.3円 ce

2015年3月期の売上高は前期比2.7%増の811億円、経常利益は同6.7%
減の21.9億円となり、中間時点で減額修正した数字も下回りました。
高単価なプレミアム牛めしの導入で通期102%超の既存店売上を確保
したものの、F/Lコストの上昇で減益決算となりました。

厚労省の規制緩和により米国産牛肉の基準が「月齢20ヶ月以下」から
「月齢30ヶ月以下」へ変更とされたため、牛肉価格の下落が見込まれて
いましたが、米国の大干ばつの影響で価格が高騰し、原価が押し上げ
られました。そのためコストの高いプレミアム牛めしを売れば売るほど
利益が削られ、一部店舗で従来の牛めしへ戻す措置が取られました。

なお今2016年3月期の売上高は3.1%増の836億円、経常利益は11.7%
増の24.5億円を見込んでいます。ここ数年は店舗改装やS&Bに注力
してきたため、売上高の低成長が続いておりましたが、今期は競争
激しい牛めし店舗ではなく、とんかつ店舗を40店(前期末時点61店)
出店する計画を打ち出しており、成長路線への回帰が期待されます。
利益も反転増を見込んでいますが、F/Lコストが68.1%とじりじり上昇
しているため、牛肉市況下落の追い風が必要かもしれません。

なお投資判断については新規Outperformとします。
他の外食株と比べると相対的に出遅れており、下値は限定的です。

当社が出店進めるとんかつ業界には「かつや」を運営するアークランド
サービスという先駆者がおり、価格帯や出店エリアでも競合するほか
肝心の商品力についても同社の方が上と思いますので、当社の規模
を生かした調達価格の低減や新規店舗の物件情報の取得といった
実利面をとっていくような形になるかと思われます。

三光マーケティングフーズが畑違いの「東京チカラめし」で大失敗した
ようにはならないとは思いますが、後発ならではの拙速な大量出店で
自滅してしまうことだけは避け、慎重にやって欲しいと思います。

勝つ投資 負けない投資

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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