完全子会社化した四国コカは結局売却、日本製紙(3863)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3863】 日本製紙 (東証1部) 投資判断Outperform継続

現在値 2,050円/100株 PER16.0 PBR0.43 3月配当優待9月配当

旧王子製紙のうち十條製紙を継承、01年大昭和製紙統合。製紙国内2位。
配当は3月9月の年間60円配で、配当利回は2.89%となります。

日本製紙は株主優待制度を導入しており、3月末の単元以上株主に対して
家庭紙の詰め合わせ1セットを送付しています。おおよそ2,000円程度の
価値とすると、配当優待利回りは約3.9%となります。

業績を確認していきます。
■2012年3月期 売上高 10,424億円、経常利益 60億円 EPS▲359円 
■2013年3月期 売上高 10,250億円、経常利益 230億円 EPS 92.0円  
■2014年3月期 売上高 10,812億円、経常利益 281億円 EPS 196円
■2015年3月期 売上高 10,524億円、経常利益 232億円 EPS 200円
■2016年3月期 売上高 10,600億円、経常利益 300億円 EPS 129円 ce
□2015年9月中間売上高 5,200億円、経常利益 130億円 EPS 43円 ce

前2015年3月期の売上高は前期比2.7%減の10524億円、経常利益は
同17.7%減の232億円となり、減収減益となったほか期初計画も大きく
下回る結果となりました。新聞用紙・洋紙・板紙などの主力紙事業は
需要低迷により伸び悩むとともに、円高による原燃料費の高騰により
収益性が圧迫されました。

ただ最終利益に関しては、43,000㎡の北王子倉庫を約160億円で売却
したことにより前々期並みの231億円を確保しました。またこれにより
有利子負債の返済も進み、5年前の7300億から6500億へ減少しました。

今2016年3月期の売上高は微増の10600億円、経常利益は29.3%増の
300億円を計画しております。引き続き値上げの浸透により収支の改善
を見込むほか、何年か前に株式交換により完全子会社化した四国コカ・
コーラをコカ・コーラ ウエストに売却するため、営業利益の剥落と最終
利益に多少の上積みがあります。

以上、投資判断Outperformにてカバー継続します。
非中核事業や不動産の売却により余力が増している点を買います。

震災による石巻工場の被災による減産と復興費用で多大な負担があった
ためにここ数年は減配を余儀なくされていましたが、足元では少しずつ
復元配を進めており、今期はついに60円配(※元は巡航で80円配でした)
まで回復しました。有利子負債の返済が順調なため、早ければ再来期
には80円配まですんなりと戻る可能性もあります。

ひとつネックなのが中計の信頼度がイマイチなことでして、今期を始期
とする3年後の2018年3月期に500億円の経常利益を見込んでいるものの
為替や原料価格の影響が大きすぎるため達成は不透明です。三菱商事
と組んだ小松島のメガソーラーや石巻での火力発電といったエネルギー
分野への多角化等も進めていますが、こちらの本格化には要時間です。

*参考記事 2014-07-06 1,924円 投資判断Outperform格上げ
日本製紙(3863)の株主優待と株主総会のおみやげ。

*佐々涼子氏のノンフィクション、石巻工場の再生物語「紙つなげ!」です。

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