来期は配当性向50%観測もロシア危機が直撃、JT(2914)のレビュー。 | なちゅの市川綜合研究所

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本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

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【2914】日本たばこ産業(東証1部) 投資判断 新規Inline

現在値 3,410円/100株 PER13.6 PBR2.74 6月配当優待 12月配当優待

たばこが事業の中核。M&Aで海外たばこ事業を拡大中。
変則決算調整後の配当金年間予想額は100円となっており、6月12月
の年2回・各50円ずつ配当されますので、利回りは約2.93%となります。

JTは株主優待制度を導入しており、単元株以上の株主に半期毎に
1,000円分の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは
約3.51%となっております。なお2単元の場合は優待が倍となります。

業績を確認していきます。
■2012年3月期 売上高 20,033億円 営業利益 4,591億円 EPS 168円  
■2013年3月期 売上高 21,201億円 営業利益 5,323億円 EPS 181円   
■2014年3月期 売上高 23,998億円 営業利益 6,482億円 EPS 235円  
■2014年12月期売上高 21,500億円 営業利益 4,820億円 EPS 189円 変/修ce
□2014年9月2Q 売上高 11,745億円 営業利益 3,070億円 EPS 120円

2014年3月期9月2Qの売上高は11,745億円となり堅調に推移しました。
主力の海外事業は販売数量が落ち込んだものの、単価上昇と円安効果
でカバーし、売上で前年同期比7%増、営業益で同10%ほど上伸しました。
他方、国内事業については消費増税の駆け込み需要の一巡がモロに直撃
したため、売上高で同▲6%、営業益が同▲16.5%と減収減益となりました。

今期から決算期が3月→12月に変更となるため、単純な予想数字の比較は
出来ないものの、比較可能ベースでは売上高2.4兆円のため微増益予想、
営業利益は5,540億円のため▲14%の大幅減益予想となっております。
(※2Q時点で通期予想を減額修正、標記2014.12月期は9ヶ月決算ベース)

また足元においては実に35%超のトップシェアを握るロシア市場において
ルーブルの暴落と年率10%にも及ぶ大変急激な市場縮小に見舞われており
当社の営業利益の約1/4を占めるドル箱が脅かされております。ルーブル
が対ドルで1%安くなると当社営業利益が30億円も削られてしまいます。
当社の小泉社長も「基本的には打つ手なし」とコメントしているため、
中長期的にはロシア市場が今度は足かせになってくると思われます。

以上、投資判断についてはInlineとしてカバーを開始します。

一部外資系証券会社などが予想している通り、グローバルたばこ会社
に習い来期の配当性向は50%まで引き上げられる観測がありますが、
上述のロシアの大不振により利益水準が低迷するため、来期の配当金
もせいぜい100円を上回る程度に留まってしまうリスクがあります。

そんな訳で、配当はそんなに期待出来なくなってしまったのですが、
株主優待は現行の水準が継続されており、届いた品物がこちらです。
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今年は変則決算で3月、9月、12月と3回もの優待権利がありました。
今年はカゴメあたりも同様の決算期変更を行いましたが、優待権利は
3月と12月の年2回だけでしたので、グローバル企業の余裕を感じます。

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