遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」の生きる道 。 | なちゅの市川綜合研究所

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さきほどのフジテレビでダイシン百貨店の特集を見ました。
同店は最近メディアにもよく取り上げられてますので、ご存知の方も多い
と思いますが「想定客を高齢者にフォーカスした」
大森にあるスペシャリティーな百貨店です。

商品ラインナップは数十年前の売れ筋商品を幅広く取り揃えており、
周辺の高齢者の心をグッとつかんで離しません。(ex.ラジカセで言うなら
CDやMDより、カセットを販売するイメージです。)

何故こんな売り方になったかというと、ダイシン百貨店は大森駅周りの商業
競争立地にあり、差別化に走った結果こういった売り方となった様です。
差別化戦略が比較的上手く行った好例だと思います。


さて、番組を見て思ったのはヴィレッジヴァンガードとの比較です。
ダイシン百貨店で高齢者が感じるような「ワクワク感」と、我々の世代が
ヴィヴァンで感じるような「ワクワク感」には差が無いような気がします。

しかし、ダイシンは比較的上手くいってますが、
ヴィレヴァンはさほど上手くいっておりません。なぜでしょうか?

ダイシンは1店舗しかありませんが、ヴィレヴァンは300店舗以上あり、
仕入れのスケールメリットを享受出来るにも関わらず・・・です。
(※ヴィレヴァンの前期の決算は良くなかったが、足元1Qでは回復してます)


ダイシンがヴィレヴァンに比べて仕入のセンスが特別に優れているという訳で
はない(おそらく客の年代に合う古いものを選んでいる位だと思う)と思われるので、やはりお客さんがカネを持っているかどうかという点が大きいのではないかと考えております。

ちなみに2社ともに基本的に「定価販売」です。

ヴィレヴァンはいつも混んでいますが、若い世代を中心とするお客さんは
実際そこまで買い物をしていないので、レジが混んでいません。
しかし、山王などの強力な住宅後背地に恵まれたダイシンのお客さんは
定価だろうがそんな細けぇことは気にせずにバンバン買っていくのです。


・・・ということで、今日の結論。

ヴィレヴァンは高齢者向けのよろず屋みたいな業態を出店することが必要です。

近年は郊外のショッピングセンターでも空きテナントが適当にあったりするので
まぁ出店候補地はなんとかなると思われます。

若者向けのよくあるオシャレ雑貨店は既存のショッピングセンターにもうおなか
イッパイなくらいあるので、ここはあくまでニッチに徹するべきです。
100円ショップの品揃えと露骨に被らなければそこそこイケると思います。

高齢者にフォーカスしなければならないもうひとつの事実として、
平日のショッピングセンター等にあるゲームセンターにおいては
高齢者がものすごいお金を注ぎ込んでメダルゲームで遊んでいる事実
も見過ごせません。こんなことは10年前では考えられませんでした。


色々厳しいことを書きましたが、「期間限定バーガー」や「期間限定ビール」の様な
毛を生やしただけの似たような店舗業態をつくるだけでは今後は更に厳しいと思います。私自身はイオン等のショッピングセンターへ行くと必ずヴィレヴァンに行くほどのヴィレヴァン好きなので、是非とも頑張って欲しいところです。


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