1年半前に突如として現れた、リコーの「フィルムカメラプロジェクト」。

デジタルカメラ全盛期の時代に、今更フィルム?と思うのだが、巷では若者を中心にフィルムカメラの人気が高まっているらしい。

ある意味、昭和レトロのような感じで、デジタルに慣れてしまった人が昔のものに興味を持つ、ということはあるだろう。

居酒屋なんかでも昭和レトロな居酒屋なんてのは時々あるし。

 

・・が、昔のものに興味を持つ現代の若者がいたとしても、ほんの一握りの愛好家程度と思っていて、フィルムカメラを本当に出すのか、と思っていたら、とうとう製品化して正式発表になってしまった。

 

 

 

PENTAX 17

いやいや、本当に出してしまったよ!

私の周囲の若者はフィルムの存在すら、良く知らないのに。

なかなか個性的なデザインじゃん!

 

 

 

 

蓋を開くと、昔のようにフィルムを入れて巻き上げる機械部が現れるらしい。

 

製品化のために、古い設計図を探したり、会社を退職されたOBの方からアドバイスをもらったり、今でもフィルムの現像が可能なのか市場調査を行ったり苦労してきたそうであるが。

 

ただ、今回は最初の機種ということで、ハーフサイズになるそうだ。

 

 

 

ハーフサイズとは、35mmフィルムを2分割して撮影していくことだ。2分割すると、1画面で2枚撮ることができるので、フィルムの高騰が続く今となっては、撮影枚数が増えてフィルム代の節約になるわけだ。

 

ハーフサイズになると上図のようにフルサイズを2分割しながら撮影していくので、縦位置構図になる。現在の若者はスマートホンで縦位置で撮ることが多いので、スマートホンになれた若者にも違和感なく使えるということだ。

ただ、2分割撮影なので、現像したときの粒子は粗いと思われるが。

 

 

 

フィルムは一応今でも売っているけど、ノーマルタイプでも36枚2000円近く、高級品のリバーサルフィルは4000円近くするわけで、これにさらに現像代を入れたら、4000~6000円レベルまで行くのではないかと思う。

 

ちなみにリコーは、目指すはコンパクトカメラ2台と将来的には一眼レフまで持っていきたいと言っているので、まずは、このハーフサイズで様子を見て、売れ行きを見ながら、可能性があるならフィルムの一眼レフを作りたいということなのであろう。

 

私も興味本位としてはあるんだけども、でもデジタルと比較するとコストが、、、というところで、さすがにちょっと渋ってしまう。それに、もしフィルムカメラをやるとしても、とうの昔に生産終了になったMZ-Sの中古を探して購入するほうが安上がりだ。

 

成功するかはわからないが、でも応援はしたい。PENTAXって本当に世の大手メーカーとは逆のことをやるメーカーだ。

キャノンやニコンが大型の一眼レフやカメラを出していたときは、PENTAXは小型レンズ中心だし、

キャノンやニコンがミラーレズに移ったら、一眼レフ宣言して大型なレンズを出してくるし、工芸品のようなカメラも出すし、モノクロ専用カメラなども出し、とうとうデジタル全盛期に、いきなりフィルムカメラだ。

富士フィルムのカメラは、在庫を絞ってカメラの値段を高くしているが、PENTAXは通常のカメラはいつでも買えるように出してくれて、突如、こういう少し変わった?カメラを出して、新たな市場を開拓しているようだ。

 

私はコストの点からフィルムカメラは見送ると思うが、いずれ来るべきPENTAX K-1 Mark IIIが登場したら、そちらに予算確保したい。

 

【追記】

リコーのHPによると、公式サイトでも公開後わずか2時間で、予想より多くの予約を頂いたため供給不足による一時停止をアナウンスしています。

最初の見込みが100台か500台か1000台だったかでも変わってきますが、最低限の採算ラインの見込みを超えているならば、まずは良かったのではと思います。自分も思っていた以上に、フィルムカメラのファンの方はいたのかもしれませんね。