SMC PENTAX DA★16-50mm F2.8は不思議ちゃんレンズ
(2016.04月更新)





スターレンズはペンタックスの中でも画質、機能性を重視したレンズ。
広角側16mmからスタートし、50mmまでの中望遠までをカバーしている。
これを標準レンズとしておいて、望遠側は50-135mm F2.8を用意しておけばほとんどのケースでは事足りる。
SDMモーターと防塵防滴構造を持っている。

さて、このレンズは私も使っていて非常によくわからない不思議ちゃんレンズで、とにかくポートレートに使用するとピントが甘い、解像感がなく甘い、明るく迷いようがないシーンでもピントが合わずシャッターが切れない・・・ということで正直イライラするレンズである。
これは私だけかと思っていましたが、実はネットでもこのレンズはかなり酷評のようで、このレンズに関してはかなり曲者のようである。

ちなみに、2011年から2016年まで使っていて、何となくわかってきたことはある。
・SDMモーターの品質的な問題
・一定の条件

「SDMモーターの品質的な問題」とは、
あまりにAFがひどいので、メーカーにメンテナンスに出しSDMモーターを交換してもらったら、以前よりも少しは良くなった。
この件について過去にネットでSDMモーターが改良されているという記事を見た記憶があるのですが(メーカーでは公式発表なし)、私自身は初期のSDMモーターの品質がよくなかったと認識している。

「一定の条件」とは、何かある一定の条件を満たせばきれいに撮れるような印象も持ってきた。
これまでの経験上
・ポートレートではイマイチ
・結婚式、披露宴撮影ではさほど問題なし

これはどういうことかとゆうと、



↑この写真のように、お椀型のように奥行方向から手前に向かって建物や風景が広がるような構図の場合は、きっちり解像して湾曲の少ない立体感のある絵が撮れるように思う。

だから披露宴撮影など、中央に新郎新婦を置いて左右にお祝いの人達が取り囲む様子だとか、円形のテーブルの席に座っている招待者とか、そういうシーンではうまくいく。

ただし、ポートレート撮影のように中央にモデルだけを配置して、その後方に風景などが入るようなケースでは、お椀型とは逆行するようなシーンになるので、AFが迷いやすくなり解像感が甘くなりやすいと思われる(というか元々も甘いが)

これじゃ使い物にならんじゃないか、となりますがその通り。
よく言えば使い手を選ぶレンズであり、悪く言えば一般受けしない。
ということでまとめますと、

メリット
・広角側16mmスタートで通しF2.8
・防塵防滴構造
・静かなAF
・このクラスのレンズとしては600gと他社の同クラスレンズと比較しても軽め
・造りは良好

デメリット
・開放付近では描写がとてつもなく甘い(これは構図どうこうの問題ではない)
・さらに望遠側もAFが迷いやすくピントを外しやすい
・ある一定の条件ではけっこう立体感のある解像度のある描写をするが、それを見極めるのが難しい
・なので玄人受けはするかもしれないがとても一般受けするレンズではない
・社外品にも同クラスのレンズはあるが、通常モータで防塵防滴がないが3万円台で買える。
 このレンズはよくわからないSDMモーターと防塵防滴があるだけで10万円を超えるのはボッタクリ価格。
・価格の割にはもう少し頑張ってほしい。

しかし防塵防滴を搭載しているのはこのレンズしかないので、防塵防滴さえ必要なければタムロンの17-50mm F2.8のほうがコストパフォーマンスが高くこちらで十分。あまり純正の16-50mm F2.8はお勧めしない。

【作例】

↓ PENTAX K-3 / DA★16-50mm F2.8






↓ PENTAX K-5 IIs / DA★16-50mm F2.8








↓ PENTAX K-5 / DA★16-50mm F2.8