SPFTCスタツアDAY5-5 8月29日 | ○と○

○と○

☆被災地ボランティア(避難所調査員)
☆フェアトレードを主とした貧困問題
☆ネットショップ開業
☆フィリピン(セブ島)について


1979年、政府による経済成長戦略のひとつにより、MEPZA(Mactan Export Processing Zone Authority)は始まりました。


簡単に説明すると、外国企業を勧誘するために、マクタンをいわゆる経済特区としたのです。


120ヘクタール(1ヘクタール=100m×100m)が対象




通常、企業(大企業)はできるだけ人件費のやすい途上国に工場などを置きたいという希望はありますが


しかし途上国では他に企業がはいっていなかったり、社会治安、インフラ整備が不十分であったりのリスクを考えなければならりません


たとえば、アジアには企業がどんどん成長していますが、アフリカには企業はあまり進出していないのもその一面です。




途上国にとって他国先企業が事業をおいてくれると、そこに雇用がうまれ、GDPが増え、税収が増えるというわけで


なんとか我が国、我が地域に企業を誘致したいと考えています。


そこで、マクタンで行われたのがMEPZAです。


このMEPZAが指定する地域に事業を置く企業に関しては税金の優遇処置や、事業をはじめるためのインセンティブなどが与えられました。


そしてこのMEPZAにより多くの企業が事業をおくようになります。そのなかにはもちろん日本企業も多く含まれます。





この、地域経済を発展させるために行われたMEPZAは、もちろん地元の人たちのためにもなるはずでした


しかし、現実をみるとその裏返しで、外国企業や一部の権利をもった人間の利益が増えただけで


MEPZAに集まった人々、また、そこに昔より住んでいた人たちは大きな損害をうけました。




MEPZAがはじまる前までは、マクタンには1万人以下が住むだけの場所でした。


しかし、MEPZAにより人がマクタンへと集まってきて、現在は6万人へと増加しました。


それは、いろいろな地方から仕事を求めて集まってきた人々です。



MEPZAで行われた企業への優遇処置はたくさんありますが、そのなかでも労働者を苦しめたものがいくつかあります。




リストラの許可


普通では企業には、自由なリストラは許可されていません。


しかしMEPZAではそれが許可されました。


その為… 企業は経済の動向に柔軟に対応ができるようになりましたが、人々はいつ首を切られるかわからない不安と隣り合わせとなります。


そして、日本では当たり前のように組織される、労働者組合が結成されなくなります。


いや、事実上、結成することができなくなったのです。


労働組合をたちあげようとするリーダーが社員のなかに現れると、そのようなリーダー格の人はなにかしらの理由をつけて解雇されてしまうからです。


その為、企業は好きなように労働者を扱うことができるという力関係が作り上げられました。


いわば労働者を搾取できる場所がここマクタンに存在したというわけです。


最低賃金の引き下げ


MEPZAでは企業を誘致するため、最低賃金を引き下げました。


他の地域、国よりも、より安い賃金で人を雇えるというわけです。


もちろん、それは労働者の生活を圧迫しました。


また、自由なリストラや、雇用以上に膨れ上がったマクタンの人口は自然とスラム街の形成へとつながっていきました。





そういったスラム街の一つが、私たちが訪れた場所です。



ジェス神父曰く、このMEPZAで得をしたのは外国企業ばかりとのこと。


推測ではありますがこれによりまた政府高官も潤ったのでしょう。


ジェス神父の息子さん、ダニさんもMEPZAによりリストラされ無職になった一人です。


ダニはこの日1日中僕たちの案内を務めてくれていました。






今回、ジェス神父と話をさせていただいて、とても安心させられた気持ちがあります。


宗教は人々の行動、生活に大きな影響をあたえるので、その主導者である人が確かな人間性と知見の持ち主であることは非常に喜ばしいことです。


宗教の主導者が単なる理想主義であったりすることはよくあることですから…。




『政府は、雇用を創出するために、投資をというが、多くの人々は解雇され、苦しい生活をおくっている。すべての市民の生計をたてる助けをするのが政府の第一の仕事なのに。』


投資や起業誘致とは、市民の生活を支えるための、雇用をつくる手段の一つでしかありません。しかし、いつのまにか手段が目的となって、市民の生活を脅かしているのが現状です。


そして、その恩恵をうける外国企業。わたしたちの国の企業。その恩恵を間接的にうけている海外の人間も、決して都市スラムの問題を見過ごしていいわけではないのです。



また、フィリピンには、大きな製造業の企業がありません。


もともと、フィリピンには豊富な地下資源があるにもかかわらず、それらを他の国へ輸出し、そしてそれが国外で商品へと製造され、その高価な商品をフィリピン人は消費しているのです。


『フィリピンはそんな事をしなくていいはずだ。フィリピン国内で産業を興せるはずなんだ。』とジェス神父は言っていました。


この問題には、フィリピンの優秀な労働力がほとんど海外労働者となってしまっているという社会問題も関係しているのでしょう。