セイヨウヤドリギ(俗名:ミスルトゥ)
[英]All-Heal,Banda,BirdlimeMistletoe,Devil’sFuge, Mistletoe,European mistletoe [学名]Viscum album L. 概要レクチン(ML-Ⅰ(ビスクミン)、ML-II、ML-III)、ポリペプチド(ビスコトキシンA2、A3、B、Ps1-)、アルカロイド、糖アルコール、フェニルアリルアルコール、フラボノイド、トリテルペン、モノテルペングルコシド、カフェイン酸とその他の酸、リグナン、アセチルコリンを含む。セイヨウヤドリギは丸い形状(直径は30-80cm)の寄生性の常緑低木であり、細く革質の葉を持つ。花期は2-3月で、3-5個の黄緑色の小さな花と、粘着性の丸い豆粒大の白色の果実を付ける。生息域はヨーロッパからイラン、中央ヨーロッパや中国で栽培されている。松や樫、リンゴ、楓、楡、カバノキなどの様々な木に寄生して大きくなるため、セイヨウヤドリギに含まれる化学成分は、寄生する木や収穫時期、その他の因子によって大きな違いが生じる。セイヨウヤドリギにはビスクミンなどのレクチンやビスコトキシンが含まれるが、果実には含まれていないと考えられている。俗に「がんに効く」、「化学療法や放射線療法の副作用を軽減する」などといわれているが、ヒトにおける有効性や安全性については、調べた文献に信頼できる充分なデータは見当たらない。有効性≪効果がある可能性が示唆されたという報告≫1) セイヨウヤドリギ抽出物が胸、大腸、胃の固形がん患者の生存率を改善する可能性を示すいくつかの予備的な研究がある。この現象については更なる検証が必要である。2) 乳がん患者を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、セイヨウヤドリギの成分であるmistletoe lectinを2週間投与したところ、自覚的QOLを改善した。3) 乳がん患者を対象に、ガラクトシド特異的レクチン(ML-1)を12週間皮下投与したところ、血漿中のβ-エンドルフィン濃度が上昇し、化学療法後の末梢血リンパ球サブセットの減少が抑制され、β-エンドルフィン濃度の上昇がQOLの改善と関連があったという予備的な知見がある。ただし、・セイヨウヤドリギのがんに対する治療効果は様々な研究がされているが、その無作為対象試験には矛盾したものが多く、更なる検証が必要である。また、セイヨウヤドリギに含まれる成分は、寄生する木や収穫時期、その他の様々な因子によって影響を受ける可能性がある。<免役>・ 免疫機構を活性化する可能性はあるが、体内でがん細胞を死滅させるのを補助するというエビデンスはない。・ 手術不可能なすい臓腺がん患者を対象に抗がん剤と併せて腫瘍周辺にセイヨウヤドリギ抽出物(mitletoe lectin)を1回/週、5週間投与したところ、過好酸球増加症やTH1・TH2サイトカインの増強を引き起こしたという報告がある。・乳がん患者にML-1を、2回/週投与した結果、血漿中のβ-エンドルフィン濃度を上昇させ、末梢血中のナチュラルキラー細胞およびTリンパ球の活性を上昇させたという予備的な知見がある。安全性・経口で少量摂取する場合には、恐らく安全と思われるが、治療域が狭いので、多量に摂取すると発作や血圧の低下、頭痛などが起こる可能性がある。・妊婦が使用すると流産する恐れがあるので、使用を避けたほうがよい。・授乳婦が使用することは、安全性が不十分であるので、避けたほうがよい。・高齢者が使用する際は、特に血圧に注意する必要がある。医薬品等との相互作用・セイヨウヤドリギの免疫賦活作用が原因で免疫抑制剤の効果を減少させる可能性がある。・セイヨウヤドリギには心臓毒性や陰性変力作用の可能性があるため、理論上、サンザシなどの陽性変力作用を減少させる可能性がある。→→ とくさんの薬と医療に関するよろず健康相談VIPルーム