「わが故郷で語る唱歌誕生の秘密」猪瀬直樹講演会~唱歌「故郷」「朧月夜」誕生110年記念!
 5月6日の午後、「文部省唱歌「故郷」「朧月夜」誕生から110年を記念し、飯山市内の有志「ふるさとを考える会」が主催し、飯山市文化交流館なちゅらホールを一杯にする500人が参加し、「ふるさとを創った男」猪瀬直樹講演会が開かれました。
 「ふるさとを創った男」の「ふるさと」は唱歌「故郷」のことで、この唱歌「故郷」を作詞した男は、中野市出身の高野辰之のことになりますが、この「故郷」誕生の秘密をノンフィクション小説「ふるさとを創った男」の著者である飯山市生まれの猪瀬直樹さんが、「わが故郷で語る唱歌誕生の秘密」と題して語られました。
 唱歌「故郷」「朧月夜」や、「紅葉」「春が来た」「春の小川」「日の丸」などは、高野辰之と岡野貞一のコンビにより誕生した曲で、「故郷」「朧月夜」は小学6年生用の唱歌として1914年に、「日の丸」は1年生用、「紅葉」は2年用として1911年に、「春が来た」は3学年用、「春の小川」は4学年用として1912年にそれぞれ教科書に掲載されています。
 ただ、これらの曲は「文部省唱歌」として誕生した曲であり、教科書に掲載当時は作詞者も作曲者名も記されていませんでした。
 ノンフィクション小説「ふるさとを創った男」の初版本は、1990年6月に日本放送出版協会から出版されていますが、この「あとがき」の中で、著者は「都心の仕事場の近くを散歩していると小学校の校舎から「秋の夕日に……」の懐かしい歌声が聞こえてきた。ああまだあの曲を歌っている。僕の記憶は一気に昭和30年代の音楽室に戻っていった。……少年時代長野市で過ごした僕は、「故郷」の作詞者が近郊の農村の出身だとは露ほども教えられなかった。先生も同級生も、誰もその事実に気づかずにいた。文部省唱歌の作者の名は地元ですら長い間不明ののままだった。……高野辰之、岡野貞一のコンビが生まれたのは、偶然である。……二人の業績はほとんど知られておらず、調査は難航した……島崎藤村の「破戒」には「蓮華寺」として登場する真宗寺の皆さんにはたいへんお世話になった。とりわけ語り部になっていただいた原田(旧姓井上)武子さんとの対話は、楽しい思い出である」と書かれています。
 真宗寺と高野辰之、唱歌誕生の秘密など~猪瀬直樹さんの講演とノンフィクション小説「ふるさとを創った男」を紹介したいと思います。
 なお、5月2日に小学館文庫「ふるさとを創った男 唱歌誕生」が発刊されています。
つづく
#高野辰之 #唱歌 #故郷 #朧月夜 #猪瀬直樹 #武田徹 #野上曉 #講演会 #長野県飯山市 #真宗寺 #唱歌誕生 #小学館文庫