飯山市「公共下水道有尾中継ポンプ場」浸水高は~浸水レベル▽GL+86cm~台風19号災害

台風19号災害検証 51

千曲川有尾樋管は、1986年8月設置された、飯山市(農林課)管理の樋管です。
構造は、幅1.70m、高さ1.75m、長さ36.60mの小さな樋管です。
地理院地図により測定した
➀樋管直近堤外地の田んぼの標高は314.4m
②樋管直近堤内地河川の右岸宅地の標高は315.6m
③樋管直近堤内地河川の左岸JAながの駐車場の標高は316.2m
④堤内地河川の右岸にある飯山市有尾中継ポンプ場の標高は315.8m
です。
台風19号時の千曲川飯山水位観測所の最高水位は、13日午前7時に11.10mに達しました。
飯山水位観測所の0(ゼロ)地点の標高は307.141mですので、この11.10mを標高に換算すると318.241mになります。
したがって
➀では318.241-314.4=3.841m
②では、318.241m-315.6m=2.641m
③では、318.241-316.2m=2.041m
④では、318.241-315.8m=2.441m
となります。
これは、外水位と同じ高さに内水位がなった場合の浸水深となります。
しかし、幸いなことに浸水深はこの高さになりませんでした。
理由は、有尾樋管が小径口であったことや、樋管から逆流した水が北流側のJA虹のホール以北までの広域に流下したことで、実際の最大浸水深はそれほど上昇せずにすんだと思われます。


なお、飯山市有尾中継ポンプ場の西側壁面には浸水レベル▽GL+860とのテープが貼られているので、実際の最大浸水深は標高316.66mだったと思われます。
とは言っても、有尾樋管からの逆流が、飯山市有尾中継ポンプ場を含む周辺の民家、そしてJAながの虹のホールなどの浸水の原因になったと思われます。
有尾樋管の管理者は飯山市です。
管理委託してあったとして、当然ながら管理責任は飯山市にあります。
台風などの夜千曲川の増水にあたって、飯山市は市内にある37ヶ所の樋門・樋管の開・閉操作の状況を把握し、マニアル通りに管理しなければなりません。
つづく