初夢や 一冨士 二鷹 三なすび


おふじさん 霞の小袖 ぬがしやんせ
雪のはだへが見たふ ござんす


臨済宗中興の祖「白隠禅師」筆の初夢画賛です。
白隠禅師は、飯山の正受庵で、正受老人の厳しい修行の下で大悟されました。
この「初夢画賛」は、正受庵蔵で、昨年の寺宝展に展示されたものです。


 「画讃」とは、絵画の主として上部の空白部に書き込んだ詩文を言います。
「初夢や 一冨士 二鷹 三なすび」の意味は、諸説があるようですが〜
富士(無事)、鷹(高く)、なすび(事を成す)と、縁起を担いだ語呂合わせの意味であるという説が有力なようです。
右上の賛文
おふじさん 霞の小袖 ぬがしやんせ
雪のはだへが見たふ ござんす

は、富士山の白雪を女性のの白い肌に見たてて、霞の小袖をぬいでみせてほしいといっています。
「何より、本質をみなさい」といっていると言います。
白隠の七十代の遺墨です。
白隠が中興したと言われる、静岡県三島市の「龍澤寺」から正受庵に寄贈されたものです