当は上高地→涸沢→北穂高岳というルートをピストンする予定でした。でも北穂山頂でエンジンがかかってしまいました。結局、上高地→涸沢→北穂→大キレット→南岳→天狗原→槍沢→上高地という登山になりました。普段は計画に比較的忠実なのですが、今回は我慢できずに変更してしまいました。

 

朝4時、まだ暗い上高地を出発。夕方から雨の予報なので早出。黙々と、淡々と横尾を目指します。途中の徳沢まで誰とも会わず、心静かなナイトハイクを堪能しました。

 

(上高地を出発)

 

沢の手前で夜が明けました。天気は良好!遠く表銀座の稜線が見えました。風もなく穏やか。少し汗ばんできます。

 

(徳沢手前で夜が明けた)

 

全に明るくなってから横尾到着。空は高曇りで雨が降る様子は今のところなし。山の稜線まで綺麗に見えています。雨が降り出す前に少しでも先まで行動しておこうと先を急ぎます。

 

(横尾大橋を渡り、涸沢を目指します)

 

沢への道の途中、左を見上げると屏風岩がそびえています。これを登れる体力と技術がほしい。いつか挑戦してみたい登攀のひとつです。しかし屏風岩でこの迫力。さらに巨大なアメリカのヨセミテ渓谷の岩壁をぜひ見てみたいものです。

 

(屏風岩)

 

谷橋に到着です。ここでスポーツようかんを水で流し込み小休止。まだ人が少なくて快適です。

 

(本谷橋)

 

みを進めていくと、見えてきました穂高の稜線!そして涸沢が近くなると突然増える登山者。人の列に急に現実に引き戻された気分でした。

 

(涸沢近し)

 

穂への登りに入る前に涸沢小屋で休憩。朝からソフトクリームをいただきました。正直ちょっと寒い。

 

(涸沢小屋のソフトクリーム)

 

ナカマドはすでに赤い実をつけて秋の到来が近いことを知らせてくれます。涸沢の紅葉の見頃まであと1ヶ月。あっという間の夏山シーズンです。

 

 

穂高岳東稜を遠望。東稜は近いうちに登りたいこのバリエーションルート。ゴジラの背がおっかないです。

 

(北穂東稜。後ろに常念岳が見える)

 

グい登りを黙々と歩くこと1時間半。軽い高山病なのか頭痛がありましたが、水を飲みペースを落とすと回復。ついに北穂高岳山頂に到着です!

 

 

気も悪くないし、体調も良い。屏風岩を見た時から岩を触りたいという欲求が強くなっているし、北穂まで来ている。大キレット、行っちゃう?

 

(大キレットの先に槍ヶ岳が見える)

 

い、大キレットです。そうと決めるとエンジンがかかりました。個人的に大キレットで一番危ないと思う北穂高小屋直下のガレ場。傾斜もあるし、下に登山者もいます。落石は起こせません。慎重に進んでいきます。

 

 

本的に岩だらけの大キレットですが、たまに高山植物が目を癒してくれます。トウヤクリンドウがたくさん咲いていました。夏山も終盤です。

 

 

騨泣き。南岳→北穂方向よりも今回の北穂→南岳方向から見た方がおっかなく見えます。すでに歩いたことがある道なので今回は少しレベルアップを目指し、飛騨泣きは人工的に設置した鎖や足場は使用しませんでした。

 

 

はり落ちたらおしまいな場所が多いのが大キレットです。でも落ち着いて見るとホールドは豊富。自信を持って落ち着いて望めば問題なく歩ける道だと思います。

 

 

谷川ピークが近づいてきました。切れ切れのナイフリッジに見えます。実際に歩いてみると、しっかりと道がついています。

 

(北穂側から見た長谷川ピーク)

 

谷川ピークから見た北穂高岳。巨大な岩の塊です。やはり私は岩の山が好きです。登っても面白いし、見てもかっこいい。別に樹林帯が嫌いなわけではないですが、自らの限界に挑めるのはやはり岩な気がします。

 

(長谷川ピークから見た北穂高岳)

 

て南岳が近づいてきました。しかし山頂はまだまだ上に見えます。大キレットは岩場をスムーズに通過する技術も必要ですが、標高3,000mを超えた山頂から標高2,748mまで降り、そこから登り返す体力も必要だと思います。

 

(南岳は遠い)

 

岳が近くなると穏やかな岩場が続きます。しかし最後の登りは強烈。ハシゴが連続して、一気に標高をあげるので体力的にきついです。しかし振り返ると美しい北穂高岳とここまで歩いてきた道を一望できます。もう一息です。

 

(振り返ると北穂高岳が見えた)

 

岳小屋到着!大キレット突破です。去年は南岳→北穂方向に歩いたので、今年は北穂→南岳方向に歩いてみました。ここで柿の種を貪り食います。飛騨側からの冷たい風が身体を冷やします。もう秋の風が吹いています。

 

(南岳小屋)

 

屋から南岳山頂はすぐです。残念ながらガスで飛騨側の展望はなし。常念岳はなんとか見えていました。

 

(南岳山頂)

 

スは抜けたり湧いたりを繰り返します。それでも南岳周辺では快適な稜線歩きが楽しめました。穂高周辺では珍しく穏やかな稜線です。

 

(快適な稜線歩き)

 

あ、ここから天狗原へ降りていきます。事前情報をほぼ持っていなかったのが悪かったのですが、意外と鎖場が連続する厳しいコースでした。

 

(稜線から天狗原へ降りる)

 

た方向を振り返ると北穂の奥に前穂北尾根。かっこいい山々です。人生をかけても登り尽くせないほどのルートがここにはあります。

 

(北穂と前穂)

 

ヤマアキノキリンソウでしょうか。見頃でした。岩のわずかな隙間に生えています。その生命力に驚くばかりです。岩ばかり見てきた目を優しく癒します。

 

(ミヤマアキノキリンソウ)

 

ングルマもすっかり綿毛になっています。ほんの2週間ほど前まで綺麗に咲いていたと思ったのですが、季節の移り変わりは目まぐるしいですね。

 

(チングルマ)

 

狗池。そして槍ヶ岳が遠くに見えます。周辺はナナカマドが多く、紅葉の季節に訪れてみたい場所です。秋は秋で夏にはない楽しみがあります。

 

(天狗池)

 

沢の登山道と合流しました。何度も歩いた槍沢に来るとやはりホッとします。でもまだまだ先は長いです。ここでスポーツようかんで体力回復します。

 

 

よなら穂高、また今度、ということで振り返ると怪しい黒い雲が浮いていました。雨が近いのでしょうか。先を急ぎます。

 

(黒い雲が浮いていた)

 

かし雨は降らず、太陽の光を感じます。槍沢の水は美しいブルー。涼しい風が谷を吹き上げてきます。

 

(槍沢ブルー)

 

尾近くの森。木々の緑も少し薄くなり、秋が近いことを教えてくれます。下界はまだまだ暑いのですが、この辺りの夏はもうすぐ終わりです。夏の終わりはなんだか寂しいですね。

 

(横尾近くの森)

 

沢ではすでに赤く色づいた気がありました。桜の仲間でしょうか。明日は雨予報なので、テントの数は少なめに見えました。

 

(徳沢ではすでに紅葉が始まっていた)

 

々と、淡々と、早くお風呂に入りたいという一心で歩き続け、小梨平に帰還です。約12時間の充実した山行でした。

 

(無事、下山)

 

て、今回の山行で感じたのですが、技術ではなく体力が不足しているように見える複数の登山者が穂高や槍に登っていました。普段からトレーニングに励み、十分な体力を用意してから登山したいものです。