信州の山々が今年、初冠雪した翌日、いつか歩いてみたかった徳本峠と蝶ヶ岳をつなぐ中村新道を歩いてきました。道は良く、新雪をまとった山々は美しく、素晴らしい山行でした。
歩いたルートは以下の通りです。
明神→徳本峠→大滝山→蝶ヶ岳→横尾
朝4時30分。上高地から徳本峠に向かう道へ入ります。真っ暗な中、前日の雨と雪で水量が増えた沢の音が不気味に響きますが、黙々と登ります。
ちょっとペースを上げすぎたのか、頭痛と軽い吐き気が出ます。しかし水分をしっかりと摂ってペースを落とすとすっかり良くなり、徳本峠に到着。八ヶ岳方面に朝焼けと雲海が見えます。
徳本峠小屋は今シーズンの営業をすでに終えていましたが、電気がついていたので小屋番の方がまだいる模様。小屋閉めの作業をしているのでしょうか。小屋の後ろに回り、中村新道で大滝山を目指します。
朝日が差し込み、深い森を赤く染めます。静かな森、黙々と歩きます。マイナーなルートなので少々の藪漕ぎや倒木を覚悟していたのですが、綺麗に整備された道です。
標識もしっかりとついていて、迷いそうな場所はありません。他の登山者もいなくて静か。深い森を1人で黙々と歩くことができて登山に集中できる、これ以上ない最高の環境です。
中村新道は大滝山が近くまでずっと樹林帯でほとんど展望はありません。しかし何箇所か視界が開ける場所がありません。例えばこの明神見晴し。新雪をかぶった明神岳を見ることができました。
空に突き刺さるような明神だけと前穂高岳。美しいです。
さらに歩みを進めていきます。北八ヶ岳を思わせる深いシラビソの森が続きます。考えてみると標高が北八ヶ岳と同じくらいなので、植生や雰囲気も似るのかも知れません。
そして大滝槍見台に到着です。森の中に突如として木製の櫓が現れます。登ってみると槍・穂高を一望できます。ここで少し休憩。パンを頬張っているとルリビタキが忙しそうに周囲の木々を飛び回っているのが見えました。
槍・穂高は北に行くほど雪が多そうで、西穂周辺はほとんど雪が見えませんでしたが、槍ヶ岳や槍沢はしっかりと雪をかぶっていました。
大滝山に向けて歩みを進めていると、たまーに「大滝山まで○km」という看板が現れます。どこまで行っても樹林帯の中で、どのくらい進んだかわかりにくい道です。このような道はとても助かります。
標高2,400mくらいから雪が現れ始め、大滝山山頂にも雪がありました。山頂は森林限界をわずかに越えて、ハイマツに囲まれていました。そして東の方角を見ると視界が開け、素晴らしい景色が広がっていました。
私は美しい景色を見るために登山をしているのではありませんが、やはりこのように雲海に浮かぶ山々を見ると心が震えます。
山頂のから少し離れた場所には大滝山荘がありました。営業は終了していましたが、静かで素敵な立地にありました。いつかゆっくりと泊ってみたいと思う山小屋です。
これから目指す蝶ヶ岳越しに槍ヶ岳が見えます。そして左手に伸びるのが長塀尾根で上高地の徳沢まで登山道がついています。何度も登りに使いましたが、こうして見ると本当に長いことがわかります。
鍋冠山への分岐。いつか安曇野から鍋冠山を経由して大滝山荘に泊まるというマイナーな山旅をしてみたいです。華やかな穂高岳もいいのですが、たまには「物好きだねぇ」と言われてしまうような登山も良いですよね。
いくつか池がありましたが、凍っていました。水面の氷を触ってみると案外しっかりとした厚い氷ができていました。この秋は気温が高いですが、山にはしっかりと冬が近づいています。
大滝山からは一度下り、樹林帯に入ります、そこから登り返して蝶ヶ岳山頂!何度来たかもう覚えていませんが、やはりここからの穂高岳の眺めは素晴らしいです。雪は深いところで10cmほどでしょうか。これが溶けて、朝の冷え込みで凍るとツルツルの登山道になってしまいそうです。
穂高岳を眺めながら稜線歩きを満喫しました。ここから上高地の横尾に向けて下山します。何度通ってもこの登山道は急です。下りで使えば素早く標高を下げることができるので重宝していますが、登りで使うとしんどいと思います。
標高2,000mを切ると所々紅葉が美しい木がありました。
槍見台には新しい標識が立っていました。しっかりと槍ヶ岳を見ることができる場所です。
横尾に到着。見上げつ山々の雪はかなり溶けてしまい、初冬の雰囲気は薄らいでしまいました。横尾山荘でラーメンを食べ、バスターミナル方面に歩いて行きました。今回も無事に下山することができました。

























